いちご



心が焦げてしまったようで、残り火が燻っているようだ。


チリチリと燻る火種は、ちょっとした風ですぐに消えてしまいそうで、弱々しい。



初めてじゃない…かあ。


今まで考えた事もなかった方が、不思議かもしれない。



そりゃ、るぅだって男の子だもん。顔だってバッチリ整っているし、モテない訳がない。



今まで彼女が居なかったのは、特定の子が居なくても済んだから……。



自分で考えて、自分の考えに嫌気がさす。




もうやめよう。これ以上は、自分の心を自分で傷付けてしまいそう。


もう、いいや。もう、嫌だ。




「ねえ、君一人?」



忘れてた…。

私は、ずっとひとりぼっちだったんだ。




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