いちご
―――――――……
「ありがと。サッパリしたぁ」
シャワーを借りた私は、慶兄の服を借りてリビングへ入った。
「さすがにぶかぶかだな」
そんな私の姿を見て、慶兄はクスクスと笑っている。
笑う慶兄の座るソファーに近付き、隣に腰を下ろした。
「慶兄がおっきいんだってば」
まるで子供がお父さんの服を着たようで、何とも間抜けだ。
「でかいとは言われるけど…今の世の中珍しくもないぞ?」
サラリと答えた慶兄に、反論する言葉も浮かばない。
確かにそうかもしんないけど…さ。
…何だろう。このシックリこない感じ。
「何センチ?身長」
「ん?確か~…18…4?くらいだったかな」
「成長し過ぎ」
確か…るぅは186センチ位って言ってたなあ……。
そう考えた所で、昨日の慶兄と龍雅のやりとりをぼんやりと思い出した。
るぅ…何で…あんな事したんだろう。
みんなに連絡を取るまでして、どうして私を探していたんだろう。
昨日は…どうしたのかな。
来るなと言った慶兄。確かに、あんな時に瑠衣斗なんかにあっても、私は余計にどうしようもなくなっていただろう。
やっぱり、慶兄は私が瑠衣斗が好きだと気が付いている。
すぐに瑠衣斗と何かあったんだと感じ取ってくれたんだ。
直接るぅに何か言われたりした訳じゃないんだけどね………。