いちご
「………」
ん~眩しい~。
そう思い、眉間にシワを思いっきり寄せ、薄く目を開けた。
「お、起きたな」
そう言われてようやく目をパチリと開けた。
点滴が終わり、慶兄が処置してくれている所だった。
私は、医療用テープを剥がされた所で目を覚ました。
…また寝てたんだ…私。
素晴らしい程の眠りっぷりに呆然とした。
「ちょーっと痛いぞー」
慶兄にそう言われて、
え?と思った時にはもう遅かった。
鈍い痛みが左腕から伝わり、私は思わず苦い物でも食べたような顔になった。
針の痛みに、私は弱い。痛い事には違いないんだけど、何か独特な鈍い痛みが大っ嫌い。
「もう終わったぞ。なんなら泊まってってもいいぞ?」
かがんで私を覗き込み、優しくそう言った。
「ううん、大丈夫。家でゆっくりする」
「そうか~。残念だな。一晩中面倒見てやりたかったのに」
本当に残念そうに言われて、本気なのかと驚いてしまった。
「えぇ~!!」
「冗談だよ。また今度な」
あ…あぁ、うん。そうね。