いちご
「つーかさ、るぅの誕生日もうすぐじゃね?」
「あ〜そうだったなあ」
もうそんな時期かぁ…私達も今年で二十歳なんだ。
「来年成人式なんだねえ…美春はママかぁ」
あっという間のように感じて、時間がもっと長ければいいのにと思う。
みんなと一緒に居ると、楽しくて時間なんてあっという間に過ぎてしまうんだ。
「るぅは地元で成人式やんのかなぁ?晴れ姿だしなあ」
宗太はそう言いながら、煙草を深く吸って吐き出した。
「ねぇ…夏にるぅの地元行くんだよね?」
いつか慶兄がそう言っていた気がする。
だとしたら…紹介とかされたりするんだよね?
「行くに決まってんだろ〜!!仲居さんとランデブー♪」
「結構遠いからなぁ、五年目の付き合いで初めてだなあ」
龍雅と宗太の乗り気な反応に対して、私の心が一瞬陰る。
行ってしまえば、何かが変わってしまう気がした。