いちご
それから、いろいろな演出や料理の説明を聞きながら、四人で意見を出し合った結果、このお店を会場にする事になった。
「まあ、近場がいいだろうしなあ。美春も体力的にキツいだろうし」
宗太の言う事はもっともだ。
もしも何かあった時でも、近場なら気も楽だろう。
「ももが気に入るなら、美春も気に入るんじゃね?」
「俺も結婚するからよろしくな」
根気よくまだそんな事を言う龍雅はほかっておいて、パンフレットの写真を眺めた。
純白のドレスに身を包んだお嫁さんが、美春と被って見える。
ドレスの生地買いに行かなきゃなあ……………あ、そう言えば。
「んじゃ、決定だな。また打ち合わせとかで来なきゃいけねえから、そこんとこよろしく」
瑠衣斗がそう締め括り、店員さんを呼んで宗太と話し込んでいる。
一通り用件を伝えると、宗太が私に目を向けた。
「式は一応2ヶ月後な。美春の体調もあるけど…まあ、楽にできるように配慮してもらって、体に負担をかけないように進めてもらうな」
2ヶ月後か…だいたい7月ぐらいかあ。
頭のなかでいろいろと計算して、式までにドレスが間に合うようにイメージした。
ちょっと自信がないけど、とことんやれるだけやろう。
やたらとやる気だけはあるが、もう何年も裁縫なんてしていないので不安が残る。
「負担はあると思うけど…、」
「水面下で頑張りますかあ」
宗太の言葉に被せるように、ニッと笑った瑠衣斗が口を開けた。
「言い出しっぺは俺だけどなー!!」
そんなこんなで、2ヶ月という期限付きのドッキリ?に向けて準備が始まった。