いちご




「おでこ。丸見え」


「!?」



慌てて両手で隠し、更に顔が赤くなる事が分かる。


――…あぁ、もう。

そんな顔で笑われたら、何も言い返せないじゃん。



無邪気に笑う慶兄を唇を結んで軽く睨み付けるが、慶兄はお腹を抑えて笑い続ける。



「悪い悪い。…そんなに…睨むなよ」


「慶兄の意地悪っ!!どいてよーっ」



私の上にいる慶兄の胸を軽く突いて、抵抗した。


すると、慶兄は笑いを引っ込めたかと思ったら、私の突っぱねた両手をつかんで私の顔の横に押し付けてしまった。


「着替えようか?もも」


「ひ、一人でできるよっ」



何だかヤバい気がして、顔をひきつらせた。



「ダーメ。俺が見たいの」


「ひゃあぁぁっ、ちょっ慶にっ!?」



掴まれた両手が、頭の上で慶兄の片手によってひとまとめにされ、もう一方が上着の裾から侵入してくる。



思わずゾクリとして、肌が粟立つ。


あわあわとする私に対して、慶兄が軽く眉をしかめてお腹を優しく撫でた。



こ、今度はなに?



不安になりながら慶兄を見つめていると、眉を軽く寄せた慶兄が私に視線を向けた。


「何を食ってればこんな細くなるんだ。ももは細すぎる」



「…えぇ?」
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