いちご
「ちゃんと寝れたか?顔色は良くなったな」
ニコニコと私に向かって言う慶兄は、今日は私服で、黒の細めのパンツに、グレーのシャツにジャケットを羽織って胡座をかいている。
大人の色気が漂っているようだ。
あの靴は慶兄のだったんだ。
「よく寝れた。いろいろありがと」
そう言うと、「いい子だな」と頭を優しく撫でてくれた。
「おい!!何で慶兄がいんだよ」
見ると、瑠衣斗がドアの前で仁王立ちしている。
「るぅ声でかい」
私がそう言うと、
「居たら何か都合でも悪いのか」
と慶兄が瑠衣斗に向かって言った。
「な、何も悪くねえけど」
そう言うと、慶兄の隣に座った私の隣に、ドカドカとやって来て座った。
本当に、慶兄がいると瑠衣斗は余計子供に見える。