いちご
桜色
今私達は、高速道路を走り続けている。
二台の車にそれぞれ乗り込み、私は美春に引っ張られるように俊ちゃんの運転する車の後部座席に乗り込んだ。
「ねぇ俊ちゃん!!お花見ってどこでするの?」
後部座席から身を乗り出して、運転する俊ちゃんに美春が聞いた。
「ん?何か海のすぐ近くらしいよ?」
前方を向いたまま答えた俊ちゃんに、美春は興奮して私を振り返った。
「もも~!!海だって~海だって~!!」
瞳をキラキラさせた美春は、いつ見ても女の子らしくて可愛らしい。
「楽しみだね」
笑って答えると、ようやく席に座り直した。
「宗太と龍ちゃんがね、朝から市場まで行って材料買いに行ったんだよ!!」
「市場?すごいね…」
このメンバーなら、ただたんに花見だけではないはずだ。本格的にバーベキューするのかな。
「ももに、栄養付けさせるぞーって計画したんだよ」
ニッコリと笑いながら言う美春に、私は瞬きを繰り返した。
「え…私…?」
…何で?