夢のウエディング イン イタリー
2007年10月6日

ふっ、と目が覚めたら拡嗣がすでに起きていた。

「今、何時?」

「う~ん、5時半くらい。まだ、時差に慣れてないんだな」

「もう、目、ぱっちり。ね、今日の日程チェックしようよ」

「そうだな・・・とりあえず、これとこの地図を持って行って。サルヴァトーレさんのおすすめレストランリストと。とりあえず、ここか、ここが候補だね」

念のため、傘のチェックをすると拡嗣の傘の2か所、とめてあるところが切れてて。

「大丈夫。ソーイングセット、持ってきてる」

お裁縫はそんなに得意じゃないけど、がんばってみた。

朝食はブッフェスタイル。意外と美味しかった。8時にホテル出発。

「まずは、ドゥオモのクーポラに登りたい」

という美和の希望で、ドゥオモまで歩いて、登る。が、思ったより階段が長くてきつい。

「ちょっと休憩。写真、撮ろっか」

とか言いながら、がんばってクーポラまで行った。フィレンツェの景色が一望できた。天気もとってもよく、ラッキーだったな、と美和は思った。日本人もたくさんいたので、ツーショットで写真を撮ってもらった。

「きれいな景色だね、本当に」

と、拡嗣はたくさん写真を撮っていた。

クーポラを下りてから、

「あっ!」

と美和が言った。

「何?」

と拡嗣が不思議そうに聞くと。

「ドゥオモのクーポラでキスするの忘れた!」

「はぁ?」

"Duomo in Florence is Duomo for love, where lovers pledge their eternal love"

「僕、英語苦手なの知ってるよね?」

と苦笑する拡嗣。

「『冷静と情熱のあいだ』だってっ!ケリー・チャンが言ってたの。『フィレンツェのドゥオモは愛のドゥオモ、恋人たちが愛を誓う場所』って」

拡嗣が呆れて、

「はいはい、今度ね」

「今度っていつ?」

「う~ん、10年後?」

「忘れないから、私。10年後にまたフィレンツェに連れてきてね」

「約束!」

と指切りげんまんする2人だった。

「じゃあ、次行こか」

「メディチ家礼拝堂ね」

少し迷った末、たどり着いた。きれいな内装だったが、撮影は不可、ということで諦めた。
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