夢のウエディング イン イタリー
「ふぅ~、緊張したぁ」

拡嗣が安堵の息を吹き出す。

「お疲れさま」

新宿のカジュアルな洋食レストランで、2人は向き合っていた。

「今度は、あたしの番だよね。コージくん、ご両親には・・・?」

「うん、話した。2月の4~6日くらいに2泊で来ないか、って。でも、いきなり実家に泊まるって抵抗あるよね」

「うん。それはちょっと・・・。でも、日帰りはきついよね」

「そうだね、疲れると思う」

「あたし、ホテルに泊まろうか?」

「僕も一緒に泊まるよ」

「結婚前に・・・とか言われない?」

「大丈夫だと思う」

「うちはどうかな・・・?聞いてみる」

「そうしてみて。2泊3日あったら、地獄めぐりとかもできるし」

「ドキドキだけど・・・楽しみになってきた」

その日、美和は自宅に帰り、その話をしてみた。

「そうだな、いきなり実家泊まりはきついだろう。コージくんとホテルに泊まるといい」

「ありがとう、パパ」

「着ていく服はどうするの?」

と美和の母。

「う~ん、どうしよう?」

「今度の土曜日、英会話の前に一緒に探してあげる」

「ありがとう、ママ」

そして、その週の土曜日、母と〇田急デパートで、茶色のおとなしめのワンピースを、あれでもない、これでもない、と試着したあとに決めたのだった。

拡嗣は、忙しい中、飛行機、ホテルの手配などをしていた。美和はきっと両親に気に入ってもらえるだろう。そんな確信がどこかにあった。

「もしもし、拡嗣だけど。2月4日から2泊3日で行くよ。宿泊は〇〇ホテル。空港まで迎えに来てくれるかな?ありがとう。美和ちゃんだけど、僕とは正反対の娘だよ」

と、拡嗣は、母に電話をかけた。
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