夢のウエディング イン イタリー
「ヴィーナスの誕生」「春」のほか、有名どころをどんどん見ていった・・・が、途中で。

「美和ちゃん、靴、壊れてるよ」

「本当だ。どおりで歩きづらいと思った」

しかたなく、

「はしょってみようか。その靴じゃ、大変でしょ」

という拡嗣の優しい言葉に甘え、そうすることにした。

ベランダに出ると、景色がとてもよかったので、韓国人らしき観光客に写真を撮ってもらった。

ウフィツィ美術館を出てすぐのところに靴屋があり、靴を買った。

59.99を55.00と言った美和だったが、拡嗣は50.00にしたかったらしい。そのせいで、ちょっと不機嫌になってしまった。

「美和ちゃんは、詰めが甘い」

と怒っていた。

「MISTER、このジャケット、お似合いですよ」

と、200.00のジャケットも押し付けられそうになったけれど、

「余裕がないです」

でどうにか逃れた。

「日本人だからって、バカにされてるんだよ!」

って、拡嗣はプンプン。

「でもでも、こぅちゃんのおかげで買わずに済んだよ?ね?」

街中で頬にチュッ。

ちょっと新婚旅行らしさが戻ってきた。

そのあと、ホテルに向かったが、曖昧な記憶でなかなか見つからず、苦労してやっと見つけた。お店でレモンスカッシュをかって、ホテルに入ってひと休み。

そのあと、夕食の場所を探しに行った。

「あれ?このあたりのはずなんだけどないね」

「おかしいなぁ」

あまり雰囲気のよくない地域に入りかけて不安になり、日本人観光客2人連れに、

「センピオーネホテルってどこですか?」

と尋ね、とりあえずホテルへ。

「あ”~っ、もう、疲れた。隣のピッツェリアでいいだろ?」

「うん」

ピザとトマトサラダとフルーツジュースを頼んだが・・・。

「・・・イマイチだね」

「ホテルのそばのせいかな」

「残念だね」

日本語が分からないのをいいことに文句を言った。

そのあと、ホテルに戻って。甘い時間は短めに、くっついて眠った。

疲れた~。
< 41 / 60 >

この作品をシェア

pagetop