夢のウエディング イン イタリー
時間が来ると、担当者と思われる日本人男性が現れた。彼の車に乗り込み、結構なスピードでボルゴ・ラ・バーニャイアに向かった。車中で拡嗣が

「このようなことは多いのですか?」

と尋ねると、

「滅多にないのですが、もしかしたら事故でも起こしたのかもしれません」

との答え。

「明後日、駅までの送迎車が来なかったり、事故を起こされたりすると困るのですが?」

「このようなことがないように、きつく言っておきます。シエナのフォトツアーでも同じ会社に頼んであるのですが、間違いのないようにします」

「ウェディングドレスで普通車に乗れるのでしょうか?」

と拡嗣が尋ねると、

「普通のセダンですが、乗れなかったという人はいないので大丈夫です。ビデオカメラも同情するので狭くなってしまうのですが」

「もし、ラ・バーニャイアに着いたあと、シエナに行くのでしたら、お送りしますよ」

「タクシーで行くつもりだったから、ラッキーだったね」

と拡嗣。

ボルゴ・ラ・バーニャイアに到着した。すごく広大で美しい敷地内に感動。チェックインを手伝ってもらい、ホテルのポーターとともに部屋へ。ゆったりとした、きれいな部屋だった。

用意をして、車でシエナに向かった。シエナではサッカーの試合があるらしく、中に入るのが大変そうだった。どうにかたどり着き、入り口で降ろしてもらった。

「ボルゴ・ラ・バーニャイア、とタクシーの運転手に言えば分かりますから」

と言って、その担当者は去って行った。
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