夢のウエディング イン イタリー
次の日、美和はアクアマリンのリングを探しに、新宿の〇王百貨店の宝飾店売り場をうろついていた。アクアマリンのリングは、「翌月の誕生石」ということで、あちこちの売り場で売っていたが、なかなかピンと来るものに出会えなかった。

と、ある店で、V字の可愛らしいアクアマリンリングを見つけた。これがいい。そう思ったけれど、店頭にあるものは、12.5号。

「これ、15号まで、サイズアップ出来ますか?」

「大丈夫ですよ。無料でできます」

「ちなみに・・・このリングはおいくらですか?」

「こちらになります」

¥31,500+税、とある。拡嗣に2万、とか言うんじゃなかった。

「考えて、また来ますね」

その夜、美和は拡嗣にメールした。

【可愛い指輪が見つかったんだけど、予算オーバー】

【いくらくらい?】

【¥31,500+税だって】

【気に入ったなら、そのくらいいいよ】

【ありがとう】

【今度の日曜に買いに行こうか】

【いいの?まぁ、サイズ調整あるから、すぐにはもらえないだろうけど】

【ああ。でね、顔合わせのお店なんだけど、横浜の〇カシマヤによさげなお店が何軒かあったから、そのあと横浜に移動しよう】

【わかった。じゃあ、おやすみ】

【おやすみ】

怖いくらいにスムーズに、全てが進んでいた。
< 7 / 60 >

この作品をシェア

pagetop