腕の中の静けさは・・・
キッチンで朝食の準備をしてる私の後ろにピタってくっついて
あーでもないこーでもないってブツブツ言ってるユソン。

そんなユソンの腕の中で「んまっ」って口をパクパクしてるシオン。


「ユソンこれシオンに飲ませて」

「なにこれ~ウマイ。でもこれ飲ますってより食べさすじゃねぇ?」

「ん、、かも(笑)」

「シオナ~んまっすよ。ア~~~ン」



昨日作っておいたマッシュポテト。
それにミルクをかける。
シオナがなぜか気に入っている。


ある日、少し塩気が効いたマッシュポテトに衣をつけて揚げようと準備してたら
自分が飲んでいたミルクの中にdunk したシオン。



わちゃ!!って思ってたらニコニコしながら『マッタマッタ』って喜んで結局飲み干した。

ああ、食べたって言うべきなのかな。笑






「あ~~~~~あっぱ、、、めぇ」

「あっはっはダメってぇ?すっげ~アッパってはっきり言った笑。コイツ食いしん坊だ(笑)」



シオンにって言ったのに自分の口にも交互に運んでいたユソンに待ちきれず
怒ったシオンを食いしん坊呼ばわりして大笑いしてるユソン。

はぁぁ、、も、、、




パシャ!!!


シャッターの音に顔を向けるとアボニムとオモニムがニコニコしながら
息子と孫をレンズに収めていた(笑)



「まったくあなたって子は!シオナのごはん自分が食べてどーするのよ」

「だってオモニこれウマイんすよ。食べた?」

「それって言うかマッシュは昨日ちゃんと頂いたわよ。お隣からポテトいっぱい頂いたのよね天音ちゃん」

「はい。」



そのあと、「マシッタ(おいしい)」って何度も教えてたユソン。
みんなで食卓を囲んで朝食をとった。









着替えを済ませ


「オモニ?ほんとにいいんですか?」

「もちろんよ。久々のデート楽しんでらっしゃい。」

「なにかあったらすぐに帰ってきますから連絡くださいね」

「天音ちゃんったら大丈夫よ。私達も楽しませてもらうから」



小さくウィンク。
チャーミングなオモニム・・・笑。



アボニムに肩車をしてもらったご機嫌のシオン(笑)

小さなトランクを持って玄関先。




「じゃぁ~なシオナ~~いい子にしてるんだぞぉ」

アボニムの肩の上にいるシオンに意図も簡単にキスをしたユソン。



「ぁっぱ、、ニコ」

「んシオナ、バイバイ」

小さな手をコテコテ振っている。






どーしよっかなって思ってたら、やっぱりそこはユソン。

アボニムの肩からシオナを下ろして抱えてくれた。

「オンマ!!」って言いながら手を伸ばすシオンを抱き上げる。






ホッペにチュってかわいいキス。
ココに来てから覚えたいってらっしゃいのチュー。

「シオナいってきます。」
きゅぅぅ~~って抱きしめられる。


少しするとオンマの方へ手を伸ばす。



ココ何日かの朝の光景。
こんなに小さいのに・・・って少し胸が痛くなる。

並んで「いってきます」って言う私たちに手を振る3人。









「どうしたんすか?」

「うんん・・・」

「さみしいの?」

「・・・・・・」

「^^ふふ。。天音の方が子供みたいっすね~」

「そんなんじゃないよ」

「オレもさっき少しさみしかった、、はっはは(笑)」

顔を見たらポンポンって頭を撫でられた。



「でもね、今からはダメっすよ。オンマの顔はいらない。いいっすか?今からは女の顔してて」

「・・・・笑。」

「なんで笑うんすかぁ~」

「だってなに?女の顔って・・・どんな顔よ。笑。ぷは、、だめだ。おかしすぎる笑」



ホテルの前で降ろされる。

「じゃ、行って来る。定時で帰るからディナー行こ。」

「ん、わかった。いってらっしゃい」



ブウォ~~んて走り去った車を見届けてフロントで鍵をもらい部屋に向かう。



なにげにいい部屋で驚く。

慌ててウビンの番号を鳴らす。


【オマエね、、、時差って知ってる?】



ああ””そっかそっか忘れてた。


【ゴメン、、、、】

【いいけど、なに?】

【あ、、あのさこの部屋って
【替えたよ。ってか替えろって指示があったのでぇぇぇ、、、】

【やっぱり・・・ごめんね。会社大丈夫なの?】

【そこは平気だよ。オマエも出張扱いになってるからファミリータイプってことで】

【・・・・申し訳ない。】

【なにを今更しおらしい事言ってんだよ、、ってもぉ~~いいか?眠い】

【ああ、ごめん。うん、ありがとう】

【土産忘れんなよ。じゃぁな】

【ん、おやすみ】





なにもすることがないって気付くのにそんなに時間はかからなくて・・・

ってゆーか別に今日朝からこなくてもよかったんじゃない?


だってお休み明日なんだし今夜からでも明日からでもよかったんじゃないの?
言われるがままだったけどさ?



ピンポン。
部屋のチャイムが鳴る。

ドアスコープをのぞくとさっきフロントにいた人が立っていた。








慌ててドアを開けると「ご準備はできましたか?」って・・・


はい?



「ぇ、、あの、、ご準備ってなんのことですか?お部屋間違えてないですか?」

「ユソンなにも言ってないのかしら?」

「・・・・・・・・ぇ?」

「ああ、すみません。えっと、ご主人から頼まれたんです」



「ユ、、ソンからですか?」

「はい。私ココのフロントマネージャーのソ・ダビンと申します。ユソンとはミドルスクールからの友達です。」

「あ、、、そうだったんですね」

「はい」

「で?」

「・・・・・・・・・ぇ?」

「準備って・・・」

「ああああ、、すみません。私としたことがすっかり、、笑」

「笑クス」

「ウチのホテルのスパのご予約が取れております」

「す、ぱ、、、ですか?」

「はい。フェイシャル、ボディのフルコースのご予約頂いております」



「フル、、コースですか?」


「はい」


ニヤニヤしてしまう。
エステのフルコースなんて初めてだもん。






「あの?」

「はい。」

「少し待っていてもらってもいいですか?」

「もちろん、では外に出ております」


静かに部屋を後にしたダビンさん。



いっそいでラインを送ったら!!!
途端にスマホがなった。



【もしもし!!ユソン?ユソン!ユソナ!!!】

【おっふふ。。笑。ダビンきた?】

【うんうん。今来てくれてる。】

【そっか。全部任せれば安心だから。オレのミドル時代からの友達なんすよ。
そこのホテルのスパ有名なんすて。オンマが教えてくれた】


【そーーなんだ・・・いいのかな?私だけ・・・】

【いいんすよ。がんばってるもん天音】

【そんな、、、】

【ご褒美。オレからのご褒美ね。】

【・・・・・・ん、、、】

【ってゆーかオレのためでもあるんすよ?】

【なんで?ユソンの?】



【朝おねがいしたじゃん笑。女の顔ねって。あひゃ笑】

【ぅえ、、】

【オレのために全身くまなくキレイになって、あ、今でも十分にキレイなんすけどね、、
ん、、なんってゆーか、、オンマ色をね、、ああ、、オンマ色も好きなんすよ、、】

【ふふ、、クス笑】

【とにかく女になって・・・】

【・・・・・】

【オレのためにね】

【ほんとに?】

【ほんとに、笑。天音?】

【ん・・・わかった。ありがと】

【うん。キレイになっておいで?】

【うん】







ドアをあけるとダビンさんの笑顔が見えた。











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