腕の中の静けさは・・・
でも淡いって言ってもベースはしっかりした紫。
紫って言っても上品な濃さ。

でもよく見るとヌード系のベビーピンクが混ざっていて
モナちゃんとも悩んだように表現しがたい発色をしていた。


「比較的大人びた欧米人の中でアジア系の私は子供ぽいのはしょうがないとして
そんな色をしたドレスを着てたから余計にって感じ?」

「そーおかな・・・チョーーー色っぽくね?」

「デザインはそーかもしれないけど」

「デザイン?」




無言でうなずくと、

「・・・あ~~、、背中あいてりゃ~色っぽいって?」

「ん、、」


「そんなのナンセンス!あいてりゃ~いいってもんじゃないすよ。開いてても色っぽくない人いるし?」

「そんな人いるぅ~~?」

「いたじゃん。今夜だって」

「え、、いないよ」

「いたって。同じ格好してても、色っぽく見える人と下品に見える人」

「・・・・・ああ、、そーゆーことか」

「ん。そろそろ抱きしめてい?」

「・・・うん////」



すぽ。





「ほんと似合ってるから・・・この色は天音にしかムリ」

「言いすぎ」

「そんなことないよ?この色のこのデザイン着こなせるのは大人なだけじゃダメなんすよ?もちろん、っぽいってのなんて論外っすよ?」

「・・・・・」

「ふふ。笑」


ギュッて抱きしめなおされる。





「チャーミングな大人の女性にしかムリなんすよね~」

「ぁ・・・・」

「あ、もしかしてそれも聞いた?」

「聞いてない」

「そっか。それは聞いてないんだ。笑。」

「ん・・・」

「そこ言えってね。オレのずーーっと変わらないタイプ。」

「・・・・・・」

「チャーミングな大人な人。ピッタリでしょ?」

「・・・・・・・」


「ふふ。。ほら、そうやってかわいい感じ?チャーミングっしょ?」


顔を上げると


「なのにこんな感じにドレスを着こなす大人なオレの奥さん?」



ドレスにスルって手が滑り込む。

「キャっ」

「もろタイプ。オレの理想の人」





ほら・・・
いつもいつでもそうなの。

ココだけはいつも同じ。


高層のここでも響き渡るアメリカの雑踏。

だけど抱きしめられた瞬間に音が消えてユソンの腕の中に静けさが広がる。




その中に聞こえるトクトクって鼓動が心地いい。







触れられた唇はあっという間に熱を帯びて
心地いい風が通り抜ける中、何度も何度もキスをする。






「抱きたい・・・」


なんて・・・


今から、、これからそうなるだろうってわかっているのに
声にするユソンに余計に身体が熱くなって強く腕を回すと足をすくわれ部屋に入る。






「え?」



そのままベッドにって思ってたのに降ろされたそこは部屋を仕切る大きなガラスの前。

押し当てられた背中。
大きく開いたそこが冷たいガラスに吸い付くようで気持ちがいい。






「ココデ?」

「ぃ?このままドレス着たままの天音を抱きたい」

「デモ、、、ぁ、」





返事も聞かぬまま身体を這い出す甘いくちびる。

崩れ落ちそうになると力強く支えられる。



一瞬ニコって微笑んだユソンがゆっくり腰を支えながらしゃがみ込む。



ユソンの大きな手に包み込まれた腰がやけに熱い・・・

丁度いい丈のドレスの裾から手を伸ばし触れるそこ。





「ン・・・・・」


自然に漏れる声に波打つ身体。


でも決してまくり上げたりはしない。







スルっと下げられた下着に静かに小さく片足を持ち上げるから
ヒールから足を抜こうとすると

「うんん。そのまま脱がないで」って声が聞こえる。




ドレスの中に手を入れたままゆっくり促すように背中を向けさせる。

目の前のガラスの向こうにはベッドが見える。
ベッドの上に大きく広がる鏡の中に自分を見つけると緊張した。


大きく開いた背中から腰をユソンのくちびるが動くたびに漏れる自分の声がハズかしくて手を伸ばすと

「ダメ。聞かせて」って・・・




一瞬目を閉じ大きく呼吸をしてからゆっくり目を開けると
目の前の鏡に映りこむ私を愛してくれているユソンが見えた。


鏡越しに目があうユソンが身体をずらすと
途端に目に飛び込んできたのは合わせ鏡のようになっていた鏡に映る後姿の私達。









なんかへんな気分。



私の背中を動き回るユソンの後ろ姿・・・

でも送られる刺激にカクンって崩れそになるともう一度向き合う。




頬を包み込むようにされるキスはなんだかすごく必要とされてるみたいで好き。








持ち上げられたヒールを履いたままの片足についてくるように捲くれ上がるドレス。

ユソンの肩に腕を回し全てを預けるとふかふかの絨毯の上

ヒールを履いたままのちょっとだけ不安定な状態と
いつもと違う慣れないリズムに感情が高ぶって


あっという間に同時に崩れ落ちた。








繋がったままで呼吸が乱れる中


足の間をゆっくりつたう・・・








「んんん、、、、」ってうなったユソンがサっと私を抱き上げた。



鏡に写るユソンの姿が見え笑ってしまう。









「ああ~~笑った!今のオレの姿は忘れて、見なかったことにして。でもこうでもしないと」

なんども笑いながらうなずく。





「うん、私のドレスの中もたいへん////」

「オーダーでよかった(笑)」



パウダールームでいやらしくドレスを脱がされ一緒にシャワーを浴びた。

















「明日、、あぁ、もう今日だ。なにする?」

一緒にベッドに入る。




「・・・・・シオン」

「あ!!!ダメ~~~オンマにはならないって約束しったじゃん!」

「ああ、、そうだったね。でも気になる」

「ん・・・ま、確かにそーっすけど」

「・・・・・・・・」


「よし。オレが今すぐ女にすればいい。うん!」



名案みたいにドヤってるけど・・・・・・・・(笑)







「え、、また?」


覆いかぶさってきたユソン。




「まさか、このまま寝るつもりだったの?」

「え、だってこんな時間だし」

「時間とかいう?ここで?今?こんなときに?」

「・・・・・・・」

「いう?」

「言うけど?」

「ないね。ないないなーーい!なんのためのホテル?ふたりの時間?」

「ん、、、今は寝るための、、、っほっほ、、、、ンァ、、、、」




お腹に回された手が優しくてくすぐったい。
思わず笑ってしまったら強引で優しいキス。





「オレが今すぐ女の顔にしてあげる・・・」


鼻先をつけたまま言われるその声に顔が赤くなるのを感じた。







無駄な抵抗ってこーゆーこと。




大人だったり子供だったり・・・

でも結局はユソンで・・・

ユソンは、っぽいわけじゃない。
大人で子供。





そういえば・・・元カノうんぬん。

言われたい放題だった私の元に近づいてきダビンさんにも言われたっけ。



『気にしてる?』

『ああ、、してないって言えば、、ウソになるけど?』

『ふふ。安心した。わかってないのは歴代の彼女たちよ。』

『ええ?(笑)』

『大人っぽいのが好きだけど自分だけにはチャーミングでいてほしいの。』

『なるほど・・・』

『自分も大人ぶってるけど』

『ふ、(笑)』

『でしょ?』



何度もうなずく。





『自分も大人ぶってるけど本当は甘えたいの。でも限定ね。甘えたい相手はちゃんと選んでる。だからそれを知らないのは選ばれてないってことなのよ。』

『(笑)・・・』

『それに気付かない歴代彼女なんてほっときなさい!』

『なんかダビンさんすごい(笑)よき理解者って感じ。』

『天音さん!』 

『はい(笑)』


『あなた限定なの。たったひとりなの。選ばれたのよ』

『うれしい、、のかな(笑)』

『アイツのそーゆーのだって気付いてるんでしょ?』

『ん、、っん~~どーだろ?(笑)』

『どーだろって(笑)だから天音さんなんだよね。・・・・ユソン。(笑)』






私でいいんだって思わせてもらえるとこって、そうそうないことで。
それをユソンの身近な人からってなると、ますます難しい。

そういうことを話し出すきっかけとかタイミングとか状況とか・・・



今夜のパーティーは私にとってみたらこの上ない幸せを感じることができる時間だった。






お互い少しだけアルコールの入った身体で気の済むまで愛し合って
本当ならすぐ眠りに誘われそうなのに、なんか目が冴えてしまう。


私のお腹に腕を回しながらうつ伏せに寝ているユソンの寝顔を見ていた。




こりゃ明日肩痛くなるね~って腕をどかそうとしたら

「んんん・・・・」って首を振って阻止した。





起きてるのかと思ったけど動かなくなって・・・


だからもう一度。




「んーーーーーヤぁ!」って言いながら回転して仰向けになり
あっという間に腕枕で腕の中に閉じ込められた。












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