腕の中の静けさは・・・
カノンがおっ、ぱいを飲む。

目の前には同じ顔してじぃ~~~っと見てるユソンとシオン。



「ねぇ、、、ふたりしてそんなところで同じ顔してこっち見られたらカノンも私も落ち着かないんですけど?」

「なんで?」「なんでぇ~」って・・・(笑)。


シオンに至っては口が動いてて笑えるんですけど(笑)
その口元はあの頃となにも変わらない。笑。





「シオナ?」

「ん?」

「飲みたいの?」

「え?」

先に声をあげたのはユソンで、笑。(笑)
凄い顔してる。気付いてる?



私とシオンを交互に見つめてるユソン。

シオンがモジモジしていた。





「ぼく、、、のまないよ。」

「そ?」


「うん、、、ぼくおにいちゃんだもん」

「ふふ(笑)そうだったね。お兄ちゃんになったんだもんね」

「ん・・・・・」



眠ってしまったカノンをユソンに渡して
「シオナ抱っこしてあげる」って両手を広げた。

ベッドによじ登る様にしてきたシオンを抱きしめた。





昨日、急に陣痛が来て気になりながらもシオンは後回しにしてしまっていた。

『オンマ』って言いながら動き回る私の後を付いて回っていたシオン。



シオンと2人きり、ユソンは出張でソウルにはいないから自分で対処しなければならなかったので何かあったらってトンでもない事になるってあせっていたのも事実。

タクシーを呼んで、間隔が短くなるどころか、なんかマズイなって・・・
そしたら私の手をひっぱるシオン。



見下ろすと見あげた瞳が涙でいっぱいになっていた。

『シオナ・・・』って声にしたらポロってこぼれた涙。




痛いお腹を押さえながらひざまずくとシオンを抱きしめた。

途端に『おんまぁーーーーーーーーーーー』って言いながら大泣き。


『ごめんねシオナ。。』

『どうしたの?』

『ん、ののんがね、、』

『でたいって?』

『うん、そうみたいなの。だからオンマと一緒に病院に行ってくれるかな?』




そしたら涙を一生懸命手でこすりながら『ん!』って言った。



私の頬を包み込む小さな手。
チュってかわいく聞こえるキスの音。


なんでかなこの時とっても安心して落ち着くことが出来た。




でも今、わかった気がするよ。

カノンを優しく包み込みながら私とシオンを笑顔で見守ってくれているユソン。
そして腕の中には少し遠慮がちに私に抱きつくシオン。





「シオナ~~もっとちゃんとオンマぎゅってしてよ」

私からギュゥゥ~~ってしたらケラケラ笑いながらギュってしてくれたシオン。



お腹が大きくなってからはきっとユソンに言われていたのか
あまりギュってはしてこなかったシオン。


寂しい思いさせてたのかなって今更ながらに反省。




今日はおやすみのユソンがシオンと遊んでる。

病室で4人一緒。



「あ~~早く帰りたいな」

「クス(笑)何言い出すかと思った」

「だってぇ~」

「オンマがまんね。」


「あ、、、はい」

「ぷっ(笑)」





2人が楽しそうにお昼を食べてる間に私も授乳。

女の子だけどカノンも上手に飲んでくれていた。
本当にいい子たち。


眠ってしまったカノンをキャリーにのせ一旦新生児室に。

戻ってくると今度はシオンがベッドに運ばれてるところだった。



「寝ちゃったんだ」

「安心したんじゃないかな」

「え?」

「シオン言ってったすよ」

「ん?」

「オンマ泣いてたって」
「ぇ・・・」

「だからボクが守ったよって」


「ぁ・・・・・」

「でも心配いらない。シオンは男なんだから当たり前だから」

「・・・・・」

「オレがいないときはシオンを頼ればいいんすよ」

「え~そんなことできないよ~」


「でもさ・・・・」

「なによ?」

「安心できたんでしょ?」

「・・・・・・」

「ふふ、逞しいねシオン」



「うん・・・」




退院してからもユソンの忙しさは変わらなくて家を空けることが増えていた。

家にいた頃が不思議だったんだから不満はまったくない。


シオンはすこし寂しそうでその顔を見ると切なくなるけど
でもそれはユソンの方が感じているんだろうから言うことはしなかった。





だけどさすがに少しハードワークなんじゃって・・・

だから声を掛けてみることにした。




今夜も深夜になってから帰ってきたユソン。






「寝てていいって言ってるのに・・・」

「シャワーしてきて」

「・・・・うん。」



ソファーでクッションを抱えながら深夜番組を眺めていた。






そしたら「ちょっとだけ、、どぉ?」って差し出されたビール。

授乳中だったし迷っていると「少しならいいっしょ?」って。



「じゃぁ?ひとくちだけ」

「ひとくち?笑。それで済むっすかぁ?」


コクってひとくち。
口をつけたままユソンを見る。






笑ったユチョンが目の前でグビグビって喉を鳴らす。


グっとガマンして口を離すと「ぷはっ」て吹き出したユソン。



「うわ!汚っ」

ごめんごめんって言いながら笑ってる。



「んもぉ~~。はい!コレも飲んじゃってね」

「もぉ飲まない?」

「うん。やっぱりやめとく」

「ふ~~~~ん」


コクコク飲み始めたユソンを見つめてしまう。
それどころか、ゴクンって喉がなった。


「ぁ。」

今度は缶に口をつけまたたユソンが私を見る。



「飲みたいンジャン。笑」

「でもさカノンがね」

「たまにはいいんじゃないすか?」


「ん、、、、、」


「飲ませてあげようか?」



「ぇ?」


「ん?」

「なにいってるの?」

って言ってる間にカプって口に含んでいきなり触れるくちびる。




「んん、、、」
ちょっと触れる冷たいビール。
こぼれない様にと無意識に開くクチビルにゆっくり注ぎ込まれる。





コク


コク、、、コク、、、、、、、コクン。



・・





「どぉ?おいしかった?」

「、、、、、んまぁ。」

「笑。ん、、、、、はぁ~~~~あああ」



「なに?どーしたの?」

「なんかオレかっこわる」

「え?」

「いやいや、、ん、、、、」


「え、、、なに?」



「えっと、、、さ?」

「ぅ、、ん」

「さそ、、い?たいんん、、す、、、よネ・・・」

「へ?」



なになに?え?どうしたの・・・



「え?」



もう一度聞いちゃったよ。





「意地悪すね」って耳元で拗ねながら抱きしめられる。

何も言わず固まってると「シたいんすよ・・・」って。(笑)



くふ、、、(笑)








「あ~~もぉ~~マジかっこわる!」
って言いながら押し倒される。


はじめからライトダウンしていたリビングで見たことのないようなユソンが私を見下ろしていた。






「ほんとにどうしたの?なんかヘン。ユソンじゃないみたい」

「気付いてる?」

「なにを?」

「今までも大人でチャーミングで、、、色気だっていっぱいだったのに」


「え、すべてなくなった?」

「ば!、、、か。増しテンスよ!色気が増してて戸惑ってるンすよ!!!」












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