腕の中の静けさは・・・
「ねぇ、ユソン?」




「なんすか」

「最近どぉ?」




「ん?どぉってなにが?」

「仕事すごく忙しそうだけど・・・」

「そんなのいつもじゃん、(笑)」






「そうなんだけど、最近特になんか空気ちがう」







「・・・・・・おお~やっぱり誤魔化せてない(笑)」


「やっぱり?なにかあったの?」

「あったってゆーか、ありそーってゆーか・・・」


「・・・・・・・なに?」






「ん、アメリカ決まりそう、、、、、かなって」

「ほんと?」






「ん。だから片付けなきゃならない事も引継ぎも大変でさ」






ユソンがアメリカ勤務になることは知り合った頃から決まってたことで
アメリカ勤務はユソンにとってはかなりの栄転。

そしてアメリカ勤務が最終地点で今後の移動は一切なくなる。









「出張も少しは楽になる?」

「ん。きっとね。あってもロスと日本かな」







「私はどぉなるの?」



「え?その質問どぉなの?」





「だって私の行き先まで同じとは

「ねー、大丈夫?別々とかあるわけないじゃん。夫婦なんすよ?結婚してるンすよ?」




「でも別々の人達だっているもん」

「そーっすけど、、、オレがそんな条件出されてOKすると思う?」

「思わないけど・・・」

「けど、なにぃ(笑)」







「ブランクあるし、リッチモンド支社はレベル高いもん、、」

「ああ、、英語はちょっと頑張らないとかも?ずいぶんと使ってないからね」





「・・・・・・」

「でもそこはさ、毎日実践でね(笑)」

「そーだけど・・・」




「なにが心配?まだ辞令出たわけじゃないし、時間あるよ。向こう行けばオモニもアボジもいるんっすよ?子供達のことも安心。そうでしょ?」



「ん、、それはそーなんだけど・・・やっぱり私のスキルの問題」









「ね、天音?知ってる?」



「ん?」



「ずいぶんと前に書類ファックス来たでしょ?なんか翻訳しろとかプログラム組めとか、コンベンションの企画原案出せとか?他にも面倒なこと色々あったでしょ?」

「ん、あった。ソンさんからとにかく時間たっぷりあるんだからやれ!って言われたのでしょ?」

「うん」

「それがなに?」

「あれリッチモンドの採用テストみたいなもんだったんすよね(笑)」

「え、、、、、知ってたの?」

「ん。聞いてた」

「・・・・・」




「確かにさっき天音が言ったとおり、リッチモンドは誰でもって訳じゃないからソン部長と話し合ってたんすよ。天音だよなって」

「やっぱりダメじゃん私・・・・」

「ま、、話、、ききなよ。」



顔をあげると微笑むユソンに優しく肩を抱かれる。







「天音が子育て期間に入ってからの仕事のほとんどはリッチモンドのだったんすよ」

「え、・・・そーだったの?」



「うん」

「どーりで・・・」

「でしょ?難題ばかりだったでしょ(笑)今考えればさ。」



「うん・・・」



「しかも、その提案はリッチモンドのガリル支社長からの依頼だったんすよ?」

「うっそ!!!」




「ほんと。オレはいずれ行くことは決まってたでしょ。だからワイフはどうするんだってガリルから声を掛けてきてくれてね。
ガリルはオレの採用試験の時の面接官で、いつかソウルに行きたいって言ったら入社したてでなんて生意気なんだって当時のお偉いさんに言われてさ、当然って言えば当然なんだけどね(笑)
で、そのときリッチモンドの支部長だったガリルが会社をなだめてくれてオレにチャンスをくれたんだ。オレの恩人なの(笑)」




「・・・そぉ、、だったんだ。なんにも知らなかった・・・」

「(笑)・・・あそこの採用試験が難しいのは有名でしょ。いくらワイフでもそれなりじゃないとってね・・・そこは厳しいよ。当然、仕事だからね」

「はぁぁぁ、、、、、、、、だよね」

「そんなに落ち込まなくても、、、(笑)ハッハ」

「ユソンてさ?」

「ん?」




「チャランポランっぽいけど実はすごい人なんだね?」

「チャランってひっでぇーな(笑)」

「だってそーじゃん。仕事ばっかじゃないし、遊んでるし、だからって家ではほとんど仕事しないじゃない。飲みにも行くし、女の子いる食事会にもいってる、」

「知って、、たんすか?」

「・・・・あたりまえ」

「あ~~ですよね。(笑)」




チャラン~なんて本当は思ってないけど合コン認めた罰(笑)










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