腕の中の静けさは・・・
「アメリカ勤務、決まってったっ言ってたけどそれっていつ?」

「決まったの?」

「ん、、、」

「入社してすぐぅ?」

「え!!チンチャ(ホント)??」

「うん。笑、ほんと」



「リッチモンドも?」

「うん、リッチモンドの採用パスしたんすもん。そこ以外じゃ意味ないっすよね(笑)」




「すごぉ、、、、」


「ども。」

「ってゆーか、ソウルとか意味なくない?」

「オレのアイデンティティーだし~ぃ?ソウル。」

「まぁ、、そうだけど」

「ルーツかな(笑)」

「・・・・・・」



言葉を失ってる天音(笑)




「それに運命でしょ?」

「なにが?」

「だってそのままリッチモンドだったら天音には会えてないし・・・」

「ワシントンのときに会えてたかも?」

「それはないよ。基本あそことは直接的な関わりないもん。それにあってもさ自分、、男いたじゃん」


「嫌な言い方(笑)自分だっていたくせにっ。」

「そりゃーいてもおかしくないじゃん?」

「なにそれ!勝手ね」



そういえば、ソルミさんって今、どこで働いているんだろう?
まさかリッチモンドじゃないよね?




「で、話しが反れたじゃん。」

「反れついでに聞いてもいい?」

「なんすか?」

「ソルミさん・・・」

「ぶはっ(笑)やっぱりそこ来たか。」

「うん。気になった。」

「スルーはしてくれないわけね?」

「しないよ。気になるもん」


「ですよね~~」

「・・・・・・」



見つめる。







「怖いですよ(笑)奥さん!」


「誤魔化す気?」





早く言っちゃえ。





「今は中国」

「パンダ?」

「むっほぉほ(笑)そうそうパンダ。」


「・・・・そのときは」

「食いつくね~~(笑)」



「エサまいたくせに」

「えっへぇ~(笑)まいてねーよ」



「どこ」


「ピッツバーグ。」


「はぁ?なにそれジョーダン言ってないでほんとのこと
「ほんとっすよ。チョーー遠距離してた」



「うそでしょ?」

「ホントっすよ。」


「・・・・・・ないな。わたしなら・・・」

「ぇ!あるでしょ(笑)。してたジャン。オレと、(笑)」


「あ~・・・・・・」


「もぉ、、、力抜ける。もーいいでしょ、その話は。
そーゆーはなしじゃなくてさ、結果言っちゃえばね合格してるの」

「うっそ!!!ほんと!!」

「うん。」

「私もリッチモンドで働けるの?」

「うん。また一緒に働けるンすよ。」

「ユソーーーーーーン(笑)ありがと~~~」

「オレなんもしてないっすよ。天音の実力?って感じっすかね」

「すごいね。私・・・びっくりした」

「ん、さすがっすよ。あ、でも英語はほんとまじめにやってって、話だった。(笑)」

「あああ、、、だよね。うん。わかった」

「ふふ(笑)がんばろうね」

「うん・・・」





いつかはって思ってた。
いずれはな話だったし。

でもまさかこんなに早くって言うのは予想外・・・



カノンのことがもう少し落ち着いてシオンが幼稚園に行くようになったら時間もできて
リッチモンド支社で一緒に働けるように準備はじめようかなって思い始めてたところだったから・・・


自分の実力は自分が一番よくわかっている。
色々な物が何個も足りていない。

わかりすぎるくらいにわかりきったこと。



チャランポランなんて表現したけど本当はそんな風には思ったことなんてない。
ユソンもわかってくれてると思うけど・・・

合コンまがいな事してるのは本当だけど(笑)

社内にも夫婦でも一緒の支社で勤務してるとは限らない。


それは海外でも日本でも韓国でも実力が伴わなければって話で・・・

それが家族としてムリならばどちらかが辞令を断って少し違った道を歩むことになる。





そういう選択をしている同僚も何人もいる。

でもそれが悪いなんて古臭い考えの会社ではないから断ったっていい。

断ったところで立場は何も変わらない。会社に居ずらいなんてこともない。

ポストを少し落として家族を選ぶ選択にも左遷とかいうレベルの低いことは言われない。





色々な国の色々な人種が色々な考えで働く会社ならではのこと。
素晴らしいって思う。


でもリッチモンド支社はちょっとまた違った話になってくる。

あそこは会社のシンクタンク。

ユソンがいずれ行くそこは私には無謀な仕事場には違いなかったから・・・
覚悟もしてた。


古巣のワシントンへの勤務。

リッチモンドから飛行機か車で・・・・


飛行機なら約1時間、でも金額がね。
車だと片道2時間、、、はぁぁぁぁ。。。


ってすこし絶望的だったのに、夢みたい(笑)
また一緒に働けるなんて・・・


ほんとうに夢みたい。







「・・・(笑)そんなにうれし?」

「もちろんよ・・・(笑)」









「オンマ・・・」


「「え、、」」



振り返ると目をこすりながらシオンが立っていた。










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