腕の中の静けさは・・・
「大きくなったね3人とも(笑)」

「オンマだ!(笑)」



ニコニコ帰ってきたカノンを抱き上げたのは天音。
真っ赤な目をしたシオンは迷わずオレの腕の中に駆け込んできた。



「ゆぅーいちゃったね、ユソナ」ってミラー越しに目があったカノンが笑った。


何も言わないシオンの頭をなでて車を発進させた。






ユフンがいた間、楽しかったんだろう。
帰りの車の中ではシオンもカノンもぐっすりだった。


家に着くと二人が笑顔で迎えてくれた。




「悪かったわね。無事に?」

「はい。元気に戻って行きました。また来るって(笑)」

「そうね。でも期待しないで待つわ(笑)」

「はい(笑)」


「あ、そうだユソナ、そういえばさっきキンダーで一緒だって言うミラーさんが見えたわよ?」

「天音~ミラーさんって?」

「え、あ~ウィリーのママ」

「ああ~。なにかあったんすかね?」

「ん、、なんだろね。オモニムすみません、電話してみます」

「そうね、そうしてあげて。ちょっと表情暗かった気もするから」





この間交換したばかりの番号を押す。

ウィリーはシオンのお友達でママは韓国人。
英語があまり得意じゃないママとはすぐに仲良くなった。


電話の声はオモニムの言う通りで浮かない声。

「どうしたの?」って聞いたら泣き出した。
その声が聞こえたのかユソンが心配そうに私を見た。




「ね?今どこ?」

まだ我が家の近くにいたママとウィリー。
迎えに行くことにした。


夕暮れ時、オープンカフェのテラスに2人を見つけた。
ゆっくり近づいてイスに腰掛けると

「あ!シオンママ」ってウィリーが笑顔をくれた。




「うん、おいし?」

「うん。」

その笑顔を見つめる顔は疲れきっているように見えた。








「ね?ウィリー。」

「うん?」

「シオンのおうち行かない?」

「行きたい!」

「じゃ、いこっか。」

「え、ちょっと待ってシオンママ」

「ん~?」

「だってご家族みなさんいらっしゃるんでしょ?今日?」


「ん、だからいいんじゃない」

「え?」







少し困ったような顔をして戸惑っているウィリーママに
「ウィリーもそー言ってるし」って自宅に連れてきた。
















「ただいまぁ~~」


「おかえり(笑)」


「おんまぁ~~~~おかえり~~」

「あ、ウィリーだ!こっちこっち!!」

「いらっしゃい^^。」
「さ、中へどうそ」




家族がそれぞれに声に出す。




ウィリーはシオンとカノンに手を引かれ2階の子供部屋に向かった。
私の横にはすまなそうな顔をしたウィリーママ。




「さ、コーヒーどうぞ。そんなところに立ってないで2人とも座ったら?」

「うん。ありがと。ウィリーママ、ここどうぞ」

「・・・・・すみません。失礼します」




オモニムとアボニムはキッチンで夕飯の準備に取り掛かっていた。
コーヒーを運んでくれたユソンはダイニングでパソコンを打ち始めた。

その場を立ち去るんじゃなくて留まるって言う気遣いが本当にありがたい。






「で?どうしたの?」

「・・・・・・・」

「・・・ふふ、お夕飯食べてってね。」

「ぇ、そんな、、」




タイミングよく現れたアボニムが「ぜひ食べていってくださいね」って。

ユソンがクスクス笑いながら私を見た。





「ねっ^^」

まだ困った顔のウィリーママに「そーしていってください」ってユソンが声にする。




夕食は大人数で楽しい時間になった。

そのあとも楽しそうに遊んでいる子供達。


オモニムと一緒に片づけを手伝ってくれるウィリーママ。



そんな後姿を見つめていた。


きっと、なにかあったことは間違いがない・・・










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