腕の中の静けさは・・・
ご機嫌な3人がリビングに顔を出す。

ウィリーはバスルームでの出来事を興奮気味に楽しそうに話している。

シオンは突っ立ったまま私を見てた。



「シオナ?」

「・・・・・」

静かに私の横に座る。

タオルでガシガシ頭を拭きながらユソンもソファーに腰掛けた。



興奮さめやらずのウィリーとママをゲストルームに案内してリビングに戻ると
目をこすりながらシオンがユソンに寄りかかっていた。


「シオナ?お部屋いこうか」

「ん・・・」

「さ、おいで。」









シオンの手を引き階段を登り、ドアを開けると寝ているカノンが見えた。



そのカノンに近寄るシオンが声にした。


「オンマ、、ののん大丈夫だった?」

「ん?大丈夫よ。あっというまにねちゃったの」




「そっか、よかった」って自分のベッドにもぐりこんだ。


「おやすみオンマ」

「ん、おやすみシオナ」


チュって静かにキスをして部屋を出た。



ドアをしめると真横の腕を組みながら壁に寄りかかったユソンに驚く。









「な、、、にぃ、こんなところで。ビックリするジャン」

小声で言うとクスクス笑うユソン。



「んも!」ってユソンに手を伸ばすと叩き損ねた腕をつかまれ引き寄せられる。




「きゃ。」



「イヒ(笑)キャだって。かわいい~天音~(笑)」

「も、、なんだって言うの、、っん、、、、、、」







抵抗しようにも抱きしめられた腕の中は心地よくどんどん力が抜けてくる。
でもすぐに思いなおす。


あ、、ここ、、、各部屋の共通廊下だった。



「、、ユ、、、ユソナ、」

やっと声にすると「ふふ。」ってニマニマしたユソンの顔が見える。



「その気になったぁぁ?(笑)」

「・・・・・・ここ、廊下」

「興奮したでしょ(笑)」

「・・・なにかんがえてるの」

「なにってぇ~聞くぅ?(笑)」

「部屋いこうよ」
「え!!そんなにシたいの?オレはいいけどぉ~ぉ~~むほほ(笑)」



へんな笑い方をしてるユソンに抱き上げられる!



「ちょっと、降ろしてよっ!」

「シッ!!聞こえる」

「・・・・・・」




部屋に入るなりベッドの上で私に覆いかぶさるユソン。




「ユソン・・・・」

「エーーイ(笑)そんな顔しなぁ~い。悪者みたいじゃンオレ。」



「・・・・・」



「シよ?」







「・・・・・・・」





「ダメ?」




「・・・・・・」



「ですよね(笑)」

「ん。」

「話す、話しますよ(笑)」






私の気持ちをいち早く察知して、シよ?なんてジョーダンまじりに笑ったユソン。

そんなユソンを見てると心配しすぎなのかもな、、なんて思うのも事実だけど・・・
3人の間に何かあったことは間違いないのに心配しないなんてない。


「どんどん難しい顔になってくっすよ。笑」

「だってぇ。」

「うそうそ。心配すからね。ちゃかしてごめん」


ぎゅ、、って抱きしめられる。






トクトクって聞こえる鼓動はやっぱり安心感でいっぱいになる。

チュっておでこにキスをおとすと「あのね^^」って言いながら話し始めたユソン


静かな腕の中で耳を傾ける。





フツーに遊んでいた3人。
とはいえ、オッパたちの中にいたカノンって感じなんだろうけど・・・

ウィリーが遊んでたオモチャをカノンが手にしたらしい。


でもそれはカノンにとってはなんてないことで・・・
日常のなんてないこと。


カノンにとっては取るとか取らないとかいう話ではない。

そこにあったから手にしたってだけの話。


それはシオンにとっても同じで
取った取られたなんて感覚がないのだ。


そこにあったものをカノンが手にしただけのこと。
たとえそれが自分のものであっても同じこと。


優しいオッパがそんなことで怒ることもない。




ただ今日は違っていた。

1人っ子のウィリーにとっては取る取らないの感覚がやはり違っていたんすよねって。

急に怒り出してカノンの手を叩いたウィリー。



シオンはビックリして何も出来なかったらしい。

ユソンいわく
「きっと何が起こったのかわからなかったんすよねアイツ。笑」って。



我が家のふたりにとっては衝撃の出来事だったと笑ったユソン。





ただシオンは

何も出来なかった、、って、
カノンを守れなかったと、自分を責めている。と聞かされて
胸がいっぱいになって何も言えずユソンを抱きしめた。







全部が自分のものって言う感覚。

でもそれは違うんだってことは、キンダーでの共同生活で自然と学んでゆくルール。

とはいえ、やっぱり家でのことになると違うのかもしれないねって困った顔をしたユソンを見あげた。


そしたら私の頬を包み込みながらもっと困った顔をして
「ね、笑。オンマ?大丈夫?」って・・・


そうね、しっかりしなきゃ。
でもドキドキが止まらない。





















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