腕の中の静けさは・・・
「きっと我が家のふたりにとってもいい経験になったすよ」

「ん・・・」

「特にカノンにはね(笑)優しすぎるオッパに甘えたい放題なんすから、笑。ま、本人甘えてるなんて感覚もないんだろうけど、、カノンはきっとなにがぁ~~って感じっすよ。
だからカノンは大丈夫」



「シオンは・・・」

「ん、そーっすね。シオン」

「ユソン・・・」


微笑みながら重ねられたくちびる。








「自分を責めることはないってちゃんと話したら、わかったって言ってた。」

「そっか。ありがとう・・・」

「ん、ただね、ウィリーが言ってたんだって」

「・・・・・・・」

「わるいことをしたらなぐってもいいんだよ、って・・・」


深く息を吐き出したユソン。





「パパが?」

「うん。そうみたい。ママもいつもわるいことをしてるから・・・って」




もう胸が苦しくてしかたがない。



「オレも聞いたんすよ。」

「うん」

「ママがどんなわるい事をしたのかはわからないけど、パパがそー言ってた。って」


確かパパは体格がよかったはず。

ユソンよりもがっちりしていたはず・・・




「とにかくさ、詮索ばかりじゃよくないから、やっぱりママの話聞いてあげるといいよ。
オレ明日こども達連れ出すからゆっくり聞いてあげればいいすよ。ね?」


「うん・・・」って言いながら何度も深く大きくうなずいた。




翌日、アボニムとオモニムも一緒に遊園地へ出かけた子供達とユソン。






大きく何度もため息をつくウィリーママにコーヒーを出す。


「どうぞ」

「あ、ありがとう」


ひとくち口に入れると静かにカップを置いたウィリーママ。
私も後に続く。








「あのね、シオンママ」

「ぅん」

「韓国に帰ることに決めたの」

「え?」



話を聞く前に、いきなり告げられた結果。









「驚かせてごめんなさいね。でもきっと気付いてるのよね?」

「・・・ぁ、、うん。ご主人なの?」


静かにうなずいた。







「もう我慢の限界。気性が荒いことはわかっていたの。でもここまでとは思っていなくて・・・アメリカに来てからますますひどくなっていってね・・・私だけにならまだ我慢も出来たのかもしれないけど、最近はウィリーにも手を出すようになって・・・」


「どうして・・・」




「最近ウィリーが私をかばったりするのよ。それが気に入らないらしくて・・・」


なんてことなんだろう。
ママを思うウィリーの気持ちを思うと泣きそうになった。




「決めたって、離婚するって事?」

「それはあの人が納得してないの」

「そ、、、じゃぁもう少し話し合う余地がってこと?」

「うんん。私にはもうその気がないから・・・実家にとりあえず戻ることにしたの」

「そうなんだ。親御さんにも話したのね」

「うん。わがまま言って結婚したんだけど、帰って来いって言ってくれて」

「そっか、よかった。それなら少し安心した。」

「うん、ごめんね。ご家族巻き込んで心配掛けてしまって・・・でもシオンママにしかこんなこと話せなかったし・・・」

「私こそごめんなさい。もっと早く気付いてあげられてたら、こんなことにはならなかったのかもしれないし・・・」



申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
でも決心は固いようでうなずくしかなかった。









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