腕の中の静けさは・・・
「仕事が確実丁寧だって。天音が来てから職場に温かな空気が流れるようになったって」

「・・・・・ほんと?」





「ウソいってどーすんの(笑)オレもうれしかったすよ」


「ん、少しは役に立ててるんだね」




「自信もって(笑)」




「うん。あとはスピードだね」

「うはっは(笑)それ、わかってれば十分。」




「やっぱり言ってた?」


「うん言ってた(笑)」






「だよね~」って苦笑いの天音に正直に話す。







ごまかしの効かない職場なのは事実だから変に甘やかすのは天音のためにもならない。

結局は天音に返ってきてしまうから天音の今の実力をそのまま評価するのが一番。





何より天音がそんなことは承知してるはずだから・・・



のんびり屋なのは治らない。笑。


でもなんだかんだ言っても天音のことだ(笑)
言葉も手際も、もちろん環境も仕事もアメリカのスピードにすぐ慣れてしまうはず。


だけどさ?
やっぱり思うのは天音が一番適応能力に優れてるんすから(笑)ってこと。

本人まったく気付いてないんだろうけどね。
どこでだって生きてけると思う。うは笑・・・






そんなオレたちのアメリカでの生活を見守ってくれていたアボジがオレに話してくれた。

オレも含め家族4人がそれぞれの歩幅で成長していることが目に見えてわかるって
「オマエらしい素敵なファミリーだな」って・・・



うれしかった。



オレの家族・・・
天音・シオン・カノンが誇らしかった。









アメリカでの生活。


それはオレ達家族にとって何をとってもプラスに動いていた。

オレは住み慣れた土地。
風も匂いも何もかもが懐かしくてやっぱり心地よさを感じる場所。




変わらない仲間と家族に囲まれて本当にシアわっせ。



仕事はとにかく大変。

今までの仕事とは比べ物にならないくらいに頭も気も使う。

少しでも油断したら仕事にも時間にも飲み込まれてしまいそう・・・



でもそれが刺激的に思えるやりがいのある職場。


会社のシンクタンクとか呼ばれてるココ。
同僚もみんな選りすぐり。

そんな中で働ける喜びを毎日感じながらあっという間に一日が終わる。




残業もあったりするけど基本の就業時間は守られる。

そこはアメリカ的なんだろう。
家族との時間も大切。

オレのいる部署と天音のいる部署は少し離れていて仕事中はほとんど顔を合わせることもない。


正直さみしいけど、仕事っすからね(笑)



でも天音の話はガリルが色々教えてくれた。

ヒマ人ですか?って言ったら笑いながら怒られた(笑)



相変わらずガリルはオレのことを気にかけてくれている。

だからオレの大切な人のことも全面的に支援してくれてオレにとってガリルは昔も今も恩人。






「ユソ~~~~~ン」


笑。
こえデカっ。

愛しい人がこれでもかってくらいな勢いで走ってくる。笑。


ふふ。





ふわって胸に飛び込んできたアメリカっぽくなったオレの愛しい人(笑)



腕の中で呼吸を整える心地いい身体をきゅぅ、、って抱きしめる。











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