腕の中の静けさは・・・
ケーキを一緒につつきながら・・・TVを見て近況を伝え合って・・・




でもすれ違いに見つめる時間が増えてゆく。

そのうちに増えてゆく見つめあう時間に不安が募る。







コクンって喉を鳴らした天音がやっと話し始めた。





『あのねユソン。』

『うん。』




『私、出向が決まりそうなの。ソウル』

『そうなんだ』





『うん。あ、、コーヒー淹れ直すね』

『うん。お願いします』





キッチンに向かった天音の背中を見送ってベランダ越しの窓に近づいた。


少しするとカップを持った天音が近づいてくるのを窓越しに見ていた。









『おまたせ』

『ん。ありがと』


ふたりで窓越しに並んでカップにクチをつける。






『東京はやっぱりあったかいね』

『ソウルは雪のクリスマス?』

『ん、さむいっすよ。すご~~~~~く(笑)』





カップをサイドテーブルに置く。

天音の手元からゆっくりカップを受け取り同じ場所に置く。




手持ち無沙汰になった天音の手を取ると少し驚いた顔をした。














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