腕の中の静けさは・・・
お昼休みに折り返しの電話が鳴る。



【久しぶりね~みんな元気?】

【はい。シオンもカノンも元気です】

【ご主人は?】

【はいユソンも元気です。先生も元気そうで安心しました】

【私はいつも元気よ、あ、で?どうしたの?何かあった?シオンくん?カノンちゃん?】

【あ、いえ。実は、、私です】

【え?今どこなの?】

【私だけ1週間出張で韓国来てるんです】

【あら!まぁ、、相変わらず忙しいのね、、で?定時で終わるの?】

【はい、そのつもりです】

【わかったわ、待ってます】



そういって切れた電話。




空港でユソンに言おうとして辞めたこと。


帰ってからって・・・



正木とエイミの結婚式の帰り眠ってしまって
その少し前からなんとなく、、そうかなって思っていて

妊娠、、?かなって・・・



そしたらそんな私にユソンもそう思っていたって。

でもそのあとすぐ生理がきて、なんとなく、は、間違いだった。

実は期待してたって言ったユソンには申し訳なくって・・・・・





ところがそのあと少ししてからやっぱり体調がなんとなく悪くて、
もしかして?って。


ちょうど今回の出張で韓国に来ることがわかっていたからシオンとカノンと同じ病院でって思ってた。


また期待させちゃうのもイヤだし
ユソンにはちゃんとわかってから話そうって・・・



予定通り定時に終わって病院へ向かう。



相変わらずキレイな先生とハグをして早速診察して貰うと


「おめでとうございます。」って。

結果は当たっていてカノンの時と同じ4週目ってことだった。

















買い物をして帰宅直後スマホがなる。


ソン部長の提案だった。


【明日1日ゆっくり休め】とのこと。

【ありがとうございます】ってその提案を素直に受け取った。






ひとり夕食をとる。

ひとりの食事なんて今ではもう考えられない・・・


ユソンと出会うまではそれがあたりまえだった。




両親はもういない。
お兄ちゃんも離れて暮らしている。

友達や同僚や、、そりゃたまには男の人と食事に出かけたことも。

ちゃんと食べないとユソンに怒られるし
それになにより、お腹の子のことを思えば食事だって大切な時間。




時計を見る。



いまごろバタバタしてるんだろうな(笑)なんて思っていた。


食器を片付けて少し持ち帰った仕事に手を伸ばす。







「正木とエイミ楽しんでるかな。」






家の電話に気付き慌てて受話器を手にした。









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