腕の中の静けさは・・・
【落ち着いて聞きなさい】

【え、、(笑)なんすか急にそんな声だして・・・】





・・・・・







・・・・








そのあと聞かされた話を受け止めるには時間が必要だった


でも身体は自然に動いてアボジたちの部屋に駆け込む。




そんなに遠くないふたりの部屋が本当に遠くて・・・






たどり着くまでに何度も転ぶ。

体中の力が抜けていくのを感じながら必死で走った。






でも本当に遠くて・・・



ふたりを起こして話をしたはずだけどよく覚えていない。








飛行機の手配をしてくれたガリル。



荷物の準備をしてくれるオンマ。

車を暖めておくから先に行くぞって言ったアボジ。









パウダールームで顔を洗い震える手を何とか押さえ込む。






リビングに行くとオンマが待っていた。










「コレ荷物。何か必要なら連絡しなさい。天音ちゃんの分も入ってるから」

「うん。ありがとう。必要なものあれば向こうで買うから心配しないで」

「ああ、そうね。その方が早いわね。パスポートは」





「うん、持った」

「とにかくあの子達が起きてくる前に家を出なさい。後のことは任せて」

「うん、ごめんねオンマ。お願いします」


ふわっとオンマが抱きしめてくれる。



「しっかりしなさい!あなたがそんな顔してどうするの」

「・・・・ん、、わかってる」

「連絡まってるわ。時間は気にしなくていいから」




「ん。連絡する」

「ソウルに着くまであなたが出来ることは何もないの。わかってる?だから少し寝てから天音ちゃんに会いなさい。そんな顔で行ったらあの子が心配する。いい?食事もちゃんとしなさいよ。わかった?聞いてるのユソナ!!」

「ん。聞いてるよ。わかった。そうする」






オレより小さいオモニに支えられるように家を後にする。

慌てたアボジに後ろの席に乗せられる。







「気をつけてね。しっかりするのよ」

何度もうなずいた。



「あなたお願いね」

「ああ。行ってくる。あの子達のこと頼んだよ。オレもコイツ見送ったら急いで帰ってくるから」

「はい。運転気をつけて」









ふたりの会話を何となく聞いている。

何度もミラー越しに視線が合う。



「オマエ1人で大丈夫なのか?」

「大丈夫だよ。」




「やっぱりオレも一緒に

「大丈夫だって、子供たちのこと頼むよ」

「・・・ん、、」






空港に着くとガリルが近づいてきた。





え、、、
なんで・・・・・









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