腕の中の静けさは・・・
移動すると少しだけ見える顔は腫れ上がっていて胸が締め付けられて苦しくなる。
その顔はキミだけどキミじゃない。



やっぱりどうしていいのかわからなくて視線をむけると
ガラス越しにガリルとウビンの顔が見えた。

ふたりとも泣いていて・・・
オレもまた泣いた。







コンコンってガラスを叩く音に顔を向けるとふたりが肩を組んで笑っていた。

「ホラ。」ってウビンが笑ってる。

「なにしてんだよ」って少し怒ってるガリル。


コクリうなずくと大きく手を振ってふたりがその場を後にした。

















着せられた青い袖口で涙を拭いた。



機械の間をぬうようにベッドに近づく。





ゆっくり手を伸ばすと、




触れた手は温かく・・・





「くぅ、、、、、、ぅ、、」

天音の手に涙が落ちた。





慌てて親指でさする。


「、、、天音」






生きてる。
ちゃんと生きてる。


「シ、、オンくん、、、無事だって、、よかったな、、ぅぅ、、、」


ピピピ、、
ヒューーー

機械音が耳に届く。


規則正しく聞こえる無数の機械音が天音の返事に聞こえて少し笑った。








「あ、それと、、、ありがとな。
オレたちの大切な命、守ってくれて本当にありがと」



恐る恐る天音のお腹の辺りに手を置く。



触れたところが小さく上下に動く。



「アマネーーーーー!!!!!!!!!!」








お腹に手を当てたまま立っていられなくてひざまずいた。










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