腕の中の静けさは・・・
ベッドの回りに沢山の人が居た。

その中の1人、天音の担当の看護師さんがオレに気付くと外に出てきてくれた。







「どうしたんですか!アマネ大丈夫なんですか!!」

「パクさん。落ち着いてください。いいお知らせです」

「今朝の検温時に奥さまにまた反応があったんです。」


「、、、ほんとに?」

「はい。おはようございますって声を掛けたら声がかすかに・・・」



「・・・・しゃべった、、んですか?」




「はい、、。」



戻って行った看護師さんを追うようにガラス越しに目を向けると
マスクを外して色々先生が反応を確かめていた。



「あ!」思わず声が出た。



今、オレの目にも確かに見えた。
天音の指がピクって動いた。



「パクサン!先生がお部屋にって」
「はい!」


支度を整えて天音の居る部屋に入る。


「せんせぇ、、、」

「ご主人、声を掛けてあげてください」

「、、、ハイ」




ベッドに近づいて声をかける。



「天音?・・・・・・聞こえる?」




「・・・・・・天音?ね?聞こえてるなら、ぁ、、、」


握りしめた手が弱く握り返される。


「天音!!!!」


今度は口元が微かに緩む。


でも目を開けることはなくて・・・・・・





「天音ってばぁ!!!!!!」


ふにゃふにゃって2回握り返された手。





その手を先生に見せると先生が微笑んでいて


「ね!!目、、、あけて、、、オレ見て!!ね!!!」


それには反応しなくて、、


「あまね!!!!!」

大声を張り上げたオレ。





反応を見るように天音の顔をみるとゆっくり小さく動いた口元。




「、、ココ、、ド、、コ」って・・・・・












< 231 / 308 >

この作品をシェア

pagetop