腕の中の静けさは・・・
その後、診察室に呼ばれる。




「山は越えた、のかな。」

「あ、、りがとうございます。」

「でもそうは言ってもまだ油断は出来ないので・・・」

「はい。おねがいします」



「パクさん、、正直、私も驚いています。こんなに早く反応があったこと・・・奇跡、、なのかもしれませんね。奥様の生命力、、お腹の子のかな。明るい光ですね。とっても、、」



「ありがとうございます。でも先生、さっき声は聞けたけど目、、開かなかったですよね、、大丈夫なんですか?」



「ん、、それは何とも言えないところだけど、意識が戻ったというか戻りつつある?ん、、何とも説明しがたいけどいい方向なんだって思ってますよ?呼吸も正常に近いですし、でもまだ色々な面で少し数値が安定してないので私達も気をつけて経過を見ていかなければと思っています。」



「よろしくおねがいします」

「それと、お話しなくてはいけないことが・・・」

「はい・・・」

「お腹のお子さんのことです。」



「はい」


「ひとまずは安心していいと思います。ただ初めにもお話させて頂きましたが
もうご自身の足で歩くことは不可能だと・・・」

「はい」

「車椅子生活になると思います」

「はい、、」



「検査の結果、内蔵機能も少し低下はしていますが今の段階ではお腹のお子さんには影響がないと考えて頂いていいと判断しています」

「はい」


「ただ、、自然分娩はやはり難しいかと思うので承知はしておいてください」

「はい、、それはわかっています。大丈夫です先生、、。」

「ソウルの婦人科での受診歴もあるみたいなので、そちらの病院の先生とも連携をしながらと考えています。」

「はい。よろしくお願いします」





「それともうひとつ。妊娠生活や出産が奥様の身体に大きな負担になることは間違いありません。とても大変なことで、こればかりは何が起こるかわかりません。
奥様の状況を考えても、時間を過ごす中で支障が生じることは覚悟しておいて頂きたいと・・・私達もできる限り最善を尽くさせていただきます。」




「おねがいします」



「パクさん、、、こんなお話をするのは私としても非常に辛いのですが万が一、何かあったときは時間との戦いになると思うので、今後のこと今の時点でのお考えを確認させて頂いてもよろしいですか?」





先生が何を言いたいのかはわかった。











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