腕の中の静けさは・・・
「天音?・・・・」


「ん・・・」

「目、、あけてよ。ねっ、、おきてるんでしょ?アマネ?」



「ん、、、ユソん、、」

「ん!オレ!ココ、ここにいる!!」

って急いで手を握りしめた。





「うん」

「なんで、、目あけてよ!!見てよオレ、、、」




うなずく天音にコクンってなった喉。


包み込んだ手がキュってなった。





瞬きもしないで天音を見つめるとゆっくり開いた瞳・・・




だけどあふれる涙で霞んで見えなくなって慌てて拭う涙は次々あふれて

「クッソ、、、」



「ゴメン、、ネ、シンパイ、、カケ、、テ。、、カオ、、ミセテ、、ユソン。」




途切れ途切れだけど、しっかり聞こえた声。



顔みたいのオレのほうなのに・・・

離した両手で自分の顔を覆いゴシゴシする。




「ズル、、、、」

涙も鼻水もいっしょ・・・







「クス・・・」

小さな笑い声さえもうれしくて。



「・・・・顔洗ってくる」

ちょっと微笑みながら目を伏せて返事をした天音。






そしたら、、、戻れなくなって・・・

何度も何度も深く呼吸を繰り返す。





「よかった、、、、ほ、、んと、、よかった、、、、ふぅ、、ぅぅ、、」

大きく深呼吸をしてゆっくり振り向くと笑顔の天音がオレを待っていた。




ベッドに腰掛けて伸ばした手。

触れる頬はやっぱりカサカサだけど温かい。




「天音・・・・・」

「ん・・・」


「・・・・・・」

「・・・・・」


深い呼吸しか出てこなくて言葉になんてならない。

でも伝えなきゃ、一番に伝えなきゃならないこと。










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