腕の中の静けさは・・・
寒さが増したソウルの街。

めずらしくオレの手を握りしめて歩くシオン。



やっぱり少し不安なのかもしれない。



「な、シオナ?」

「ん?」

「アメリカンスクールじゃなくて地元の学校にするか?」




地元の学校はチョンさんのお子さんも通学してるからシオンも安心かなって思って。



うんん、大丈夫。ずっとココにいるわけじゃないもん。オンマ元気になって帰るから平気。心配しないでアッパ。」

「そっか、だよな」






学校で細かな説明を受け、校舎の中も案内して貰い、教室ものぞかせてもらった。

教室ではあっという間に友達に囲まれたシオンは少し戸惑っていたけど
楽しそうに溶け込んでいた。

とてもいい雰囲気の様子にホッと一安心する。













病院に戻るとベッドの中で同じ顔をして天音とカノンが眠っていた。



看護師さんの話ではお昼を食べてふたりで騒いでたらしい、(笑)


だけど気がついたら静かになっていてって看護師さんが笑ってた。





「奥さま元気になって本当によかったですね」って・・・


うん。ホントに・・・




「なんかボクもねむくなちゃった」ってソファーに横になったシオンもあっという間に眠ってしまって・・・






静かな病室。
愛しい人たちの寝顔を見つめていく。



オレの大切な大切な家族。


先生が呼んでるって看護師さんと診察室に向かう。







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