腕の中の静けさは・・・
「みんなお昼ねしちゃったって(笑)」

「はい(笑)みんなで同じ顔して寝てます」

「幸せですね(笑)」

「はい(笑)」



「思い切ってお子さんもなんて大変だったでしょ?」

「離れることの方があの子達にとってもマイナスなのは間違いないですから。」

「そうですね。奥様にとってもよい影響しかないですからね。」


「だといいんですけど。下の子が元気すぎて疲れやしないかって少し心配ではあるんですけどね、(笑)」


「それも奥様にとっては生きる活力ですよ?母親としての思いが強まるんですから、ご主人のご決断にボクは感謝してます」

「そんな感謝だなんて、当然ですから・・・」



「でもその決断がなかなか出来ないこともありますし、出来ないには出来ないなりの理由もあったりで、、わかっていながらも出来ないことは多いものです。当たり前、当然ってことでもね。
ボクは治療でのサポートは出来てもそれ以上のことはしてあげたくても出来ないですからね・・・歯がゆいところなんですけど現実ですから・・・
そのそれ以上のことが患者さんの回復には必要不可欠で、そういう要素が整うのって思いのほか難しいので、本当にご家族の思いには感謝のひとことなんですよ。」



「ありがとうございます。そんなふうに思っていただけることボクも感謝です。」

「一緒にがんばりましょうね」

「はい!おねがいします」


「では早速、少しこれからのことお話しようと思って」

「はい」

「奥さま本当に回復に向かっています。先日奥さまから車イスの話をされました。」

「あ、、」

「お気づきになっていたみたいですね」

「はい。感覚ないって言ってました」


「思うんですけどね?」



「・・・・・」


「もしかしたら奥さま、とっくに目覚めていたんじゃないですかね?(笑)」



って、先生は笑ってるけど何の話?・・・





え?









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