腕の中の静けさは・・・
そして今回のことが身体によくなかったと。

もう車イスもムリかもしれないと。



天音もそれをわかっているようで今は生きる希望がなくなっているのかもしれないって。

シオンやカノンのことはもちろん頭にある。

でも今は自分の不注意でこんなことになってしまったことで自分を責めていて自分でもどうしていいのかわからない状態になっているのではと・・・





どうしようかと迷った。

たくさん考えた。



子供たちのことも・・・



マンションに寝たきりの天音を連れて帰ることがどんなことかって言うのも十分承知している。






「なに言ってるの?そんなことダメに決まってる」

「どうして?」

「だって、、私、、もぉ自分で起き上がることも、、、、ぅ、、、もお何も出来ない。
ユソンにも迷惑かけるしかできない、、シオンやカノンにだって何もしてあげられない、、、
それなのに私がマンションに帰ったらもっと迷惑かけることに、なる、、、そんなことヤダ。
帰らない。ココでいい。ここなら、、まだ、、、ぁ、、」





顔を覆って泣き出した天音の眠るベッドの横に腰掛ける。

頭を撫で声をかける


「天音?」

「・・・・・」


「天音、こっち向いて?」

「・・・・・」





何度呼んでも同じで


頑固者・・・(笑)

両手を包み込む。





ボロボロの泣き顔。
どれもこれも愛しくてキスをした。




「な、、」

「愛してる。オレにとって天音は世界で一番大切な人・・・」






驚いた顔の天音。

もぉ、さ、、ホントに愛しくてどうしたらいいんだろう。






「帰ろ。一緒に帰ろ。家に帰ろ。シオンもカノンも待ってるから」





お腹に居た時には出来なかった検査をもう一度しっかりして家に帰ることになった。










< 265 / 308 >

この作品をシェア

pagetop