腕の中の静けさは・・・
「やーーーーーー!!!!痛っーーーーーーい!!!!ユソン!!!!!!!」


ビックリして手を離そうとしたけど・・・・・・




強く握り締められたままの手。







大きく揺れる肩。


「ぅんっぎゃーーーーーーーーーーーーーーーー」



響き渡る産声。







その声が聞こえた途端
天音の手が力なく離れようとするから急いで握りしめた。


お互いの涙を拭いあう。





「お疲れ様」

「死ぬかと思った」

「それはダメ」

「・・・・」

「天音。ありがとう。ママきれいだよ」


心を込めてキスをした。








「パクさんおめでとうございます。元気な男の子ですよ」



小さな天使が天音の胸元に置かれた・・・









クリスマスに始まった天音とオレ

クリスマスに結ばれて

ホワイトクリスマスの東京で愛を誓い合った。



あれから2年。


病室の窓をのぞくとやっぱり外は一面の雪景色。








「ちょっとフライングだね(笑)この子。クス」

「ん、そういえばそーっすね。せっかちなのかな(笑)」



スヤスヤ眠る我が子の手を摩る。







「少し寝たら?」

「ん。ユソンは眠くないの?」

「ん~~~。あんな天音を見たからドキドキしてまだ眠れそうにないっかな(笑)」

「そんなにすごかった?」

「ん、ビックリした。だって本当に苦しそうだったし痛そうだったし神様!!ってホントに思った」

「ごめんね。驚かせて。大げさだったね」

「そ!んんなことないって。助産婦さんが言ってた。」


「なんて?」

「立派でしたよって」

「そぉ~ほめられちゃった。」



って言いながらも眠そうな天音。





「ほら、ゆっくり寝て」

「でも・・・」

「オレも適当に眠るから大丈夫」

「ほんとに?」

「うん」

「明日は?」

「休みだからずっとそばにいるよ」

「よかった」


微笑んだ天音の頭を撫でるとあっという間に眠りに落ちた。












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