腕の中の静けさは・・・
あーだこーだ考えてたら

『ね?明日、日本着いたらちょっと会社に顔出してもいいかな?』

とかって、すっかり荷造りを終えた天音が言う。




『また仕事?なにしに日本行くか知ってる?』

『イジワル言わないでよ。』

『イジワルなのはどっちだよ』

『ゴメン。だけどこのままじゃ行けないよ』

『どうせ成田から直行なんだから時間があるってならいいんじゃない?』


そー言ったオレを何も言わないで見つめてる天音。




だって実際ほんとの話し。

韓国からLA経由で行くか日本から直行で行くかって迷ったけど
結局成田からの直行便を選んでいた。



フライトは午後。
朝一番の便で韓国を離れる予定。

何もかもがなんだかあまりにも都合がよくてちょっと腹が立つ。

天音には何もかもが想定内の話だったんじゃないかって・・・





『べつに怒ってないから』

『ユソン・・・』

『怒ってるっていうか呆れてるけどね』

『どっちにしてもイヤじゃん』

『もぉいいから好きなようにしたら?オレは正木に会えるからうれしいよ』




もぉなんで泣きそうなの?

泣きたいのはオレなんすけど・・・?





でも、なんでオレはそんな言い方しか出来ないんだろう。

それの方が呆れるよ・・・







立ち尽くす天音に近寄って抱きしめた。





『このままじゃ旅行、、、、楽しめないんでしょ?』

『うん』

『だったら話は早いすよ。ちゃんと解決してから行けばいい。それだけのこと』

『・・・・・・』

『でしょ?』



コクリうなずく。






『でも約束して!向こう着いたら仕事のことは忘れて』

『ん。わかった。約束する』

『それとちゃんと話して。なにがあったのかちゃんと話して』

『・・・・・ん』

『明日早いしとにかくベッド行こうか』

『ん・・・』


天音の肩を抱きリビングの電気を消してベッドルームに向かった。











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