腕の中の静けさは・・・
結局今回の仕事は結論としてはダメだったってこと・・・

でも天音はその理由に納得できないで居る。



当然って言えば当然なんだけど・・・


日本にいた頃から天音が主になって進めてきた今回の話し。


マレーシアにも何度も呼び出されたくさん苦労してきたのをオレも知っている。


会社がそこまでしても決めたかった今回の話し。

ルイがいるアメリカの支社にまでサポートさせたんだから力の入れ具合が伺える。



でも先方の社長は色んな意味で有名な人。

まず基本、窓口は女性しか受け付けない。


でもだからってそれを持ち込んでくるような人ではないのが救いで
もちろん職権乱用的な女性差別もしない。





でもどうやら今回はちょっと違っていたようで・・・・・・・


泣きながら話す天音の口からは『悔しい』が連発される。

いつもは冷静で穏やかで商談ごとには必ず人員になる天音のこんな姿を見るのは
正直はじめてかもしれない。



何度も目を擦る手を止めるけど涙が止まらない。

さっきから同じ動作を交互に繰り返しているオレ達。




『目、、凄いことになるっすよぉ・・・』




キッチンからタオルを持ってくると

『ありがとう』ってソレを受け取るとベッドに仰向けになってタオルを目にあてた天音





『キモチイイ・・・・・・・』

大きく息を吐き出した。













< 57 / 308 >

この作品をシェア

pagetop