腕の中の静けさは・・・
『会社・・・やめよっかな。迷惑掛けちゃったし・・・』

『はぁ?』




確かに今回のことは会社にとってもかなりの損失。

でも想定範囲内の話で天音が責任をとか言う話じゃない。





『辞めてどうするんすか?』

『ぇ~。ちゃんとユソンの奥さんしようと思って・・・クス』



目にタオルのっけたままだから表情は読み取れないけど口元は笑ってる。







『そりゃ~うれしいけど、いまだってちゃんと奥さんしてくれてるっすよ?』

『そぉ?家空けることも多いのに?』

『うん。』

『結婚そうそう出張に行くのに?』

『ん・・・それはちょっとイケナイ奥さんだけど・・・笑』

『・・・・・ユソン』


そういってまた泣き出した。



そんな姿を見ていると本当に辞めてもいいんじゃない?なんて思ってしまう。

だって・・・

だってさこんな天音は見たくない。


守ってやれない自分が情けない。

悔しい。






家でオレの帰りを待っててくれればいいよ。


気がつくとオレの腕の中で眠ってしまった・・・











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