満月の夜異世界へと繋がりました
「王子……」


「美結、身体のほうはもう大丈夫か?」


「うん、大丈夫!王子のお陰で嘘のように頭の痛いのが無くなったよ!ありがとう」


「そうか……よか…っ…」


えっ……王子?!
なっ何?
王子が突然あたしにぐったりと寄りかかって来る、え?眠ってる?
違う!もしかして意識がない?


あたしは寄りかかったままの王子の肩を必死に叩く


「王子!王子!!返事をして!」


ぐったりしたままの王子の身体を必死で揺らしてもあたしに対する返事はない。どうする?!どうしよう!
動揺するあたしの頭を過ぎったのは魔力切れと言う言葉、王子に魔力を
入れなければ王子はこのまま意識不明かもしくは……最悪、死?!



そんなことはさせない!
あたしがさせない
絶対助けてみせる!
でもどうやって?
あたしじゃ到底無理!第一どうやって助ければいいのかがわからない!
拳を握り締めると大声で叫んでいた

「誰か!王子が大変なの!誰か!!!」


「王子様!!どうしました?!王子様!!」
「王子様!!誰か!魔法省の者を呼べ!」
「王子様!王子様ああぁぁっ」


あたしの叫び声が合図であるかのように数人の人々がなだれ込んでくる
どうしたらいいのかアタフタしていると耳元に凛とした声が部屋全体に響き渡った









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