満月の夜異世界へと繋がりました
出来るかな?
お願い!!綺麗な水になって!
集中してゆっくりと目を閉じる
水道の綺麗な水を頭に思い浮かべた
しばらくすると身体に暖かい何かが駆け巡るような感覚がして持っていたコップに視線を移した

「す····凄い」


目の前の小さな女の子が大きな目を見開いて私を見つめている
コップを除きこむと更に驚いたようで····

「透明!!きれ~い!!」

ふふっ可愛いな
なんだかとっても飲みたそうにしているので私がコップを差し出す
すると首を横に振る彼女

「飲んでみて····」


私が掠れた声でつぶやくと恐る恐るコップを受け取った
彼女はあっという間に飲み干すと満面の笑みを浮かべた


「お····美味しい!!」


「ルミナ!!本当?!」


「あたしも飲みたい!!」


わらわらと遠巻きに見ていた5~6人の囚人さんたちが駆け寄ってくる
余程驚いたのか再び目の前にある淀んだ水、え!?又やれってこと?


「ちょっと待って!!お姉さんに先に飲ませてよ!3日間飲まず食わずだったんだから!!」

「ルミナに言われたかねえな、さっきこいつの取り返して飲んだのはお前だろうが」


「ええ~だってお姉さんがいいって言ったから~」


「とりあえずこれもう一度やって見せてくれ」


お酒を渡してくれた彼女がポツリと呟くと私はかなり喉が乾いていたので急いで水を浄化した
綺麗な水を前に皆んなの視線が集中する、え?!な、何?


「綺麗だな···あ、あぁ飲んていいぞ」


皆んなの視線が集中する中、水を飲み干した····って言うか美味しいんだけど!!これって魔力のせいなのかな
これ異世界の味なのか?
あたしが色々考えを巡らせていると 
彼女の射抜くような瞳が私を捉えた


「あんた何者だ?もしかして貴族か?」


彼女の言葉に息を飲む
頭に浮かんだのは日本人····
って言っても理解してくれないだろうなあ····なんてことを思っていた









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