満月の夜異世界へと繋がりました
リルモンド帝国
海と山に囲まれ農業と林業が盛んな
豊かな国であるらしい
主に魔力があるのは王族か貴族
なので帝国の騎士団に入れるのは王族か貴族の師弟になるんだとか
まだ山間部には魔獣なども出ることもある為騎士団に入るには魔力があるのは必須条件みたい
もちろん魔力があれば平民でも入団可能なんだけどそんなことは極々稀なケ−ス、この国の騎士団はとても優秀で国全体に張り巡らせてある結界のお陰で他国と争いがあっても負け知らず
で周りを様々な小国に囲まれていても盤石なんだそう
だから騎士団と言えばこの国ではエリートと言える花形職らしい
だからこの牢の中にいる人達が明らかに平民なあたしが魔力を持っていることで貴族なのかって問いかけたのも
当然のこと、ましてや浄化は高位の魔術師しか持つことのない魔力
彼女が何者なんだって問いかけたのも当然と言えば当然なんだろう


でも何者って言われても私は異世界から来た平凡な日本人です!!って言いたいんだけど駄目だよね?


「いや·····あの、普通の人って言うか凡人です」


「はあっ?!凡人!!んな訳ねえだろ」


「そんなこと言われ····」


ドサッ




不意に背後で何かが崩れ落ちるような音


言いかけた私は即座に何事かと振り返ると門番の兵士が倒れている
え!?何?
何があった?
慌てたもう一人の兵士が駆け寄り抱き上げると火照った様子の息づかいが荒い兵士の顔が此処から見えていた


熱があるのかな?
高熱で倒れたってことは考えられる病気は色々あるけどどうしたんだろ
大丈夫かな


「おい!!しっかりしろ!!大丈夫か!クソっ誰か医師か治癒師を呼んで来い!」

焦る兵士を横目に牢の中の人達は何食わぬ顔で眺めているだけ


え!皆んな見てるだけなの?
高熱で倒れる位なのに見て見ぬ振り?
私にそんなこと出来る?
いや····出来る訳ない!!!


「私にやらせて下さい!!私····治せるかもしれません!!」


気が付いたらそんなことを口走っている自分がいた











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