満月の夜異世界へと繋がりました
「今、なんて言ったの?」


「感染対策!!」


「かんせ·····ん?え!?」


疫病の感染対策をやりましょう!!
って言った時の反応がこれ
ここから感染対策が口コミて広まったら王子の耳に届くかもしれない
あたしは王子が元気でいることを信じて皆んなに伝えはじめた
牢の中の関係者全部に感染対策をやってもらおうって思ったのは魔力で疫病退治もありだと思ったんだけどその前に自分達で何か出来ることがあるんじゃないかって思った
疫病が終息すれば王子にも会えるんじゃないか?そう思ったのがきっかけだ
けど皆んなにはこのことはナイショ
ここに入って以来王子のことは何も聴こえてこない
だからあたしは気分が落ち着かずどうしようもない·····だからとりあえず行動を起こすことにした
自分がやれるだけのことをするって決めた!!!



まず取り掛かったの掃除
はっきり言って汚い
牢屋だからって言ってしまえばそれまでだけどとにかくここに居るだけで病気になりそうな位汚かった
日も差さない牢だから仕方ないかも
しれないけど全員で1週間かけて掃除したよ!!自分の部屋でもこんなに掃除したことないかもね、魔力で綺麗に出来ないの?って一瞬思ったけどその考えは却下!!だってまた魔力枯渇したら大変だしね


「手洗いとなんだっけ?うがいだっけ?
こまめにってどんくらいの頻度でやるの?」


「手洗いは外から帰って来た時と食事の度に必ず石鹸で洗ってね!うがいはこうやるのよ」


ってな感じで実際やって見せた
驚きなのが食事の度に手洗いってまずやらないらしい
なにより石鹸がまず庶民には高級品
城内から失敬してきた石鹸に驚くことしかり、身体を洗うのですら水浴びのみなんだとか
ちゃんとしたお風呂に入って石鹸を使えるのは裕福な貴族か王族のみ
そりゃあ疫病も蔓延するわね~
もっと驚かれたのがうがい
これってやるの日本人だけ?
そんなことないよね!
ものすごく変な目で見られたけどめげずに指導しましたよ
もちろんマスクも作りました
真っ白なマスクを皆んなで作ったんだけどこの世界の女性の器用さに感動しちゃった!!
マスクに刺繍したり可愛くアレンジしたりしてたからびっくり
まあそんなこんなやっても伝染る人はいたんだけど重症化する人はひとりもいなかったのは良かった良かった!!


でも皆んなが疫病にかかって苦しむ人がいる中何故かあたしだけがピンピンしていた


「なあ、皆んなひととおり疫病に感染して美結の魔力のお陰もあって完治したんだけど美結様だけなんで伝染らねえんだ?」


「それあたしも思った!!
感染対策?してるのも確かにあるけど
もしかしてもしかして美結様って女神様とか救世主なんじゃ····」



「「「·······」」」



「え!!んな訳ないよ!!無いってば~
あたしは平凡な普通の女なんです!!!」


なんかあたしが否定すればする程噂は噂を呼ぶみたいでのほほんと構えていたあたしは全く気が付かなかった
自分でも怖い位に地の牢に女神がいると言う噂は確実に城中に広まっていった






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