満月の夜異世界へと繋がりました
地の牢に女神がいるらしい
そんな噂が城中至る所で囁かれてるのが流石にこの牢の中にいるあたし達にまで聞こえてきたのはここ最近である、まさかそれってここに居る誰かってことだよね?


「ねえねえ!!あの噂聞いた?女神がどうのって話!」



「あぁ聞いたよ~地の牢に女神がいる
その女神のお陰で牢の中の囚人は皆んな元気だって話」


「そうそう!!あたしも聞いた!女神さまは神の力を持ってるから疫病にはかからないって!!」


「それってもしかして······」


「美結様のことに決まってるじゃない
やだなも〜」



「·····」


女神!?あ、あたしが!?
いやいやあたしに神のような神々しい力なんてないって!!
平凡を絵に書いたあたしなのに····


それに病気にならないのだってきっと訳がある·····あっ!!!
そうだ!訳があるんだ!!
きっとそれは予防接種だよ
小さい頃から色んな注射打ってるの覚えてるもん
だからこれは神の力なんじゃなくて日本の医療のお陰なんだってば!!
ってもわかんないだろうな
 

「美結様、ちょっと相談なんすけどいいすか?」


「あ、ごめんごめんぼんやりしてて!!
相談って何かな?」


門番の彼の相談事がきっかけで更に女神説が高まるのをこの時のあたしはまだ知らない、皆んなから崇められることで命を狙われることになろうとは思ってもいなかった








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