満月の夜異世界へと繋がりました
オリバーSide


真っ暗な闇の中
無性に怖くて怖くて仕方なくてそのまま佇むしかなかった
でもふと脳裏に浮かんだのは鏡の中で繋がったひとりの女
一緒にいるだけで目に浮かんだだけで不思議と俺の心を捉えて離さない
異世界から来た彼女


美結·····


美結········!!


彼女の声が微かに聞こえたような気がして思わず手を伸ばす


え?!美結か?


暖かい手の温もりにゆっくりと魔力が巡り身体に力がみなぎってきた様に感じて目を開ける
ここは何処だ?
俺は一体········?


視線を移すと目の前に居たのは····



「リリアン嬢?何故ここに?」


「まあ!!オリバー王子気が付かれましたか?気分は?何処か具合の悪いところはごさいますか?」


「いや、大丈夫だ問題ない」


ベッドから起き上がり部屋の中を見渡す、あ?!俺は確か魔力切れをおこしてそれから美結は?
そうだ!!美結はどうした!!


「美結は?美結は何処に行った?何処にいる?連れて来い!!」


「オリバー王子…美結様は「王族に対する不敬の罪で今は牢の中におりますわ」


執事が言いかけるのを遮ったリリアン嬢の言葉に耳を疑った




< 124 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop