満月の夜異世界へと繋がりました
「しかし驚いたな僕が見える奴がまだ居たなんて何年ぶりだろ、ところでお前達はこんなところに何の用だ」


「あのね近頃雨が降らなくて水不足で困ってるから川の水は今どうかなって思ってちょっと見にきたのよ」


「へ〜そうなんだ」


「み····美結!!さっきから一体全体誰と話してるんだ!!「あ、王子にもやっぱり見えないんだ!!さっきも言ったけど川のあたりに小さな男の子がいるのよ」
「そうか····だが姿はみえぬがただならぬ魔力は感じる」



王子がそう答えると男の子は視線を王子のほうにちらりと向けた
だが興味なさそうな顔を浮かべたかと思うと大きく背伸びをしながら私のほうに再び話しかけてきた


「そいつがこの国の王子だろ?」


「ちょっとちょっとそいつだなんて王子に対してあなた失礼よ」
「失礼なのはどっちだ僕は水の精霊だよ人間にとやかく言われる筋合いはないね!」


せ·····精霊?
今、精霊って言った?
待って待って!!水の精霊ってことは水の神様ってことだよね
だったら水がなくて困ってるって言ったら助けてくれるかもしれないじゃない!!
私は矢も盾もたまらず川の真ん中まで足を勧めていた



「実は水の精霊様にお願いがあるんだけど聞いてくれるかな?」


「そんなこと聞かなくてもわかってるよ」
「それじゃ話しが早「君たちの願いを聞き入れることは出来ない」


えっ······


絶望的な言葉を浴びせられぎゅっと唇を噛みしめる
するといつの間にか隣りに居た王子が私の手をそっと握り締める


「美結、お前が見ているのはもしや水の精霊ではないのか?」


静かな森に王子の言葉が響き渡っていた









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