満月の夜異世界へと繋がりました
こっそりわからないようにやったつもりだけど見てる人がいたんだ
侍女さんの服を着て洗濯してるからわかんないって思ってたんだけどな

「あはは·····どうせ暇だし洗濯くらいならって思って」


「美結さんは王子の大切な客人と言う立場です、あなたを助ける為魔力切れとなってしまったのは王子にも落ち度があった。そんな美結さんをとやかく言う輩がいるのは承知していますが王子が客人として城に迎えている以上あなたに対する不敬は王子に対する不敬にもなるのです」


「······」


「この間は偶然見てしまったから気付いたものの私達も他にも仕事抱えているので美結さんから言ってもらえないとわからないし対処の仕様がない
わたしの言ってることわかりますか」


「·····はい」


「怒ってるんじゃないんです、もっと頼って欲しいって言ってるんです!」


マイクの言葉に自然と涙が溢れた
あたしは自分でなんとかしなくちゃって全て抱え込んでた
馬鹿だよね自分がどんだけ万能だって思ってたんだろ
マイクの言う通り王子にも皆んなにももっと頼っていいんだよね?自分ひとりで解決出来るって思ってたけど周りからすればもっと頼ってくれたらすんなり解決出来るのにって思っていたのかもしれない
あたしは独りよがりだった
そんな自分に大いに反省よね


「マイク·····ありがとう、そう言って貰えて嬉しい」


あたしは素直にそう答えた
ここはごめんなさいじゃなくありがとうかなって思ったから自然と言葉が出た、マイクはくしゃくしゃってあたしの頭を撫でると笑みを浮かべていた
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