満月の夜異世界へと繋がりました
「·····で、まだ話していないことが色々ありそうですが違いますか?」


「あはは·····」


あたしは洗濯をすることになった時期や食事のことなど全てマイクに話した。問答無用って感じのマイクに圧倒されたってのもあるけど私自身限界も感じていた、侍女さん達に嫌がらせをされる理由がわからなかったから
私から彼女達に近づき何故なのか理由を知りたかった。
だから私の洗濯をしてくれない彼女達
に直接訳を聞きたくて実は侍女のふりをして近づいた


「侍女の振りをして近づいた?!」
「そう!だって理由がわからなければ対処の仕様がないし」
「はあ〜なんと大胆な·····」


「で、理由はわかったんですか?」
「うん!!わかったよ「あ、ちょっと待って下さい美結さんに仕えてる侍女達は確かリリアン嬢の家門の人間ではないですか?」


マイクは王子の側近だけあってすぐピンときたようだ


「なんとなくわかりました、背後にいるのがリリアン嬢とはまた厄介です」


そうなのだ、彼女こそ王妃候補の筆頭
過去に王妃を出したこともあるリルモンド帝国では知らない者はいないほどの名門のお家柄なんだとか
だから平民の客人が目障りなのは想像に値するけどあたしが何かすることで王子に迷惑がかかるんじゃないかと実はとても悩んでいた


もういつまでも甘えてはいられない
この世界に突然転移してきた時から日本にはもう帰れないんじゃないかってことは薄々感じてはいた


自立しなければ·····
その思いは日に日に強くなっていく
幸いあたしは治癒魔法が使えるしなんとかなるんじゃないかっては思っている、だからマイクに向かってはっきり言い放った


「私·····お城を出ます!」

「美結さん?!」


王子が何と言うか·····という彼の呟きはあたしには聞こえなかった



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