満月の夜異世界へと繋がりました
「あ、あの····王子様との子供って
どういうことでしょうか?」


「どういうことってはっきり言わないと分からないみたいね、わたくしはあの王子様の子供を産むつもりはないから貴方に産んで欲しいと言っただけ」


頭の中がただ混乱していた
色々な思いが交差する
リリアナ様は私に向かって今何を言っているのだろう
あたしに王子様との子供を産んで欲しい?それってまるで······


「リリアナ様は私と王子様との間に出来た子供を自分の子供としたいとそう仰るのですか?」


「やっと解ったみたいね、貴方は王子様との子供を産んだら私はその子をこの国の後継者として育てる·····
もちろん私の子供としてね、妊娠中は
我が家の別荘にでも籠って過ごすから
心配いらないわアリバイ工作なんて何とでもなる」



リリアナ様······
貴方は······貴方って人は!!


「頷いてくれるわよね?「一つ聞いても宜しいですか」
「何かしら?」



「王子様の子供を産みたくない理由を是非教えて頂けないでしょうか」

「産みたくない理由?ふっ····そんなの決まってるじゃないあの男が私の姉を殺したからよ!!」


「·····?!」


「でもわたくしはこの国の王妃になれるのならあの王子にさえも跪く!!
たとえ悪魔であろうともね」


彼女はそう言い放つと持っていたティーカップをそっと置く
張り詰めた空気に息が苦しくなる
深呼吸をすると目の前の彼女に視線を移した









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