満月の夜異世界へと繋がりました
「あ、あの······「ふっ····やはり油断ならない人ね、もう嗅ぎつけてきたらしいわ一筋縄ではいかないってとこかしら?」


リリアナ様がそう呟くとこちらに近づくざわざわした声が聞こえてくる
その声は一際大きくなると侍女やら護衛の声と重なり合う王子の声が響き渡る、一瞬息を呑んだ瞬間ノックもせずに入ってきた王子は余程急いで来たのか息を切らし辺りを見回した。直ぐ様私を見つけると優雅にお茶を飲むリリアナ様のところへと駆け足で近寄ると食い入るように彼女を見つめる



お、王子?!
一体何故ここに?


「リリアナ嬢これは一体どういうことだ?何故美結と一緒にいる?」


「あら?何故ってわたくしが美結さんと一緒にお茶を飲みたかったからだけなのですがいけなかったかしら?」


「········くっ」



「もしや王子様の許可が必要ですか?

「美結帰るんだ!さあ、早く!!」

「ちょ、ちょっと王子!!」


王子は私の腕を掴むと引きずるように立ち上がらせた

「お、王子!!ちょ、ちょっとま、待って!!い、痛い」

「す、すまない!!大丈夫か?!」

「いきなりノックもせず入ってきて
美結さんをさらうように無理矢理引っ張って行くなんてやはり貴方様は
野蛮人以外の何者でもないですわね」

「なんだと!!もう一度言ってみろ」


「お、王子「あら、野蛮人だなんて王子様に対して不敬でしたわねごめんあそばせ」


なんとも言えない空気の中王子はリリアナ様を人睨みすると私の腕を掴んだまま脱兎の如くその場を後にした





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