満月の夜異世界へと繋がりました
オリバーSide


正式名オリバーフォンエストランド
リルモンド帝国皇太子
俺の肩書きは生まれながらの皇太子である、何故なら王と王妃の嫡子であり後にも先にも子供は自分ひとりだからだ。周りは側室をかなり勧めたらしい、国の王たるリルモンド帝国の子供がたった一人とは心もとない
だが父上はそれを許さなかった。
王妃である母上以外の女を頑なに寄せ付けなかった。
その母上も息子である自分を産んですぐ亡くなって今もなお王妃の座は空席だ。その後婚約者と言われる女はいたが病死の為王妃になることはなかったと言われている。


そのせいか俺に対する期待はかなりのものだった
なんと俺が6歳の時に婚約者候補が決定したのだ、その時四代公爵家の中から候補を募ることになったのだがその時公爵家の中で娘がいたのがリリアナの家門しかいなかった。
自動的にリリアナが婚約者になると思ったのだがリリアナにはひとつ上に
姉がいた。


姉と妹を競わせたらどうだろう


そんな声が側近からあがったのだ
俺としてはどちらでもよかった
家柄と少しの教養さえあればいいのではないか?


軽く考えていた
俺はあまりにも幼すぎた
だから全く気が付かなかった
リリアナの姉シンシアが密かにこの王宮で愛を育んでいたことなど······


その相手が俺の護衛騎士であるなど
思いもしない
王妃教育を受ける彼女達をただ無邪気に見つめていた


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