満月の夜異世界へと繋がりました
そのお屋敷にやってきたのは伝書鳩が到着してからすぐのことだった
お城の前に一台の馬車がやってくるとあたしの前にゆっくりと停車する
窓を開けて覗き込む横沢君があたしに向けて低い声でつぶやいた
「美結ちゃん、早く乗って」
「は・・・・はい」
あたしは馬車に乗り込むと彼の前に座る
緊迫した空気が漂う中で彼は穏やかに話し始めた
「すぐ出てこれた?」
「はい・・・・「僕の名前出せば大丈夫だったでしょ?」
頷くとにっこり微笑む彼、横沢君
いや彼の本当の名前はケントマクシミリアン、マクシミリアン侯爵家の長男
代々高い魔力を持つ家系でそれは主に長子に受け継がれるそう
その高い魔力をもつマクシミリアン家は魔法省長官を何人も出している家柄
でも今日はお忍びでの外出な為馬車には何の宝飾も家紋も記されておらずかなり質素なんだとか・・・・でも一般市民のあたしから言わせると充分豪華
色々突っ込みどころ満載だけど今日はそんなことを聞きに来たんじゃない
お母さんのこととか転移のこととか聞かないと・・・・
心をしっかり持とう!そう自分に言い聞かせると馬車は郊外のお屋敷らしい所についた
「さあ、入って・・・・ここは我がマクシミリアン家の別邸だから使用人も僕の信用出来る数人しかいないし安全だよ」
馬車から降りるとそう呟いてエスコートする彼
まるでお姫様のように接する彼に一瞬どきっとした
目の前には執事の中年男性がひとりで迎えてくれた
話は前もって分かっているのかあたしに軽く会釈をすると笑顔で出迎えてくれた
「ケント様おかえりなさいませ、お嬢様申し遅れました執事のスミスと申します
」
「は、はじめまして美結と申します!今日は突然お邪魔しちゃって申し訳ないです」
「いいえ、若い女性のお客様は滅多に来客されないので今日は楽しみにしておりました、どうぞごゆっくりなさって下さい」
執事の男性はそう言うと部屋へと案内された
白い家具が印象的な部屋で沢山の本が並んである大きな本棚が一番先に目に入って来た
「ここは僕の書斎兼応接室ってとこかな・・・まあそこに座ってお茶でも飲んで、喉乾いたでしょ?」
大きなソファーとテーブルがあるところに導かれゆっくり座ると彼は慣れた手つきでその場でお茶を入れ始めた
ここは侍女さんとかお手伝いのひととかがやるんじゃないのかな?
そう思ったあたしは思わず部屋の中を見回していた
「ふふっ、何故侍女とかにやらせないんだって思ったでしょ?」
「は、はい・・・・「お茶くらいなら僕にだって入れられる・・・・ここではなるべく自由でいたいんだよ」
彼の言葉に何故か凄く納得してしまって黙って頷いていた
妙に静かな空間にお茶を注ぐ音だけが響き渡る
あたしがそっとカップを手に取ると待っていたかのように話し始めた
お城の前に一台の馬車がやってくるとあたしの前にゆっくりと停車する
窓を開けて覗き込む横沢君があたしに向けて低い声でつぶやいた
「美結ちゃん、早く乗って」
「は・・・・はい」
あたしは馬車に乗り込むと彼の前に座る
緊迫した空気が漂う中で彼は穏やかに話し始めた
「すぐ出てこれた?」
「はい・・・・「僕の名前出せば大丈夫だったでしょ?」
頷くとにっこり微笑む彼、横沢君
いや彼の本当の名前はケントマクシミリアン、マクシミリアン侯爵家の長男
代々高い魔力を持つ家系でそれは主に長子に受け継がれるそう
その高い魔力をもつマクシミリアン家は魔法省長官を何人も出している家柄
でも今日はお忍びでの外出な為馬車には何の宝飾も家紋も記されておらずかなり質素なんだとか・・・・でも一般市民のあたしから言わせると充分豪華
色々突っ込みどころ満載だけど今日はそんなことを聞きに来たんじゃない
お母さんのこととか転移のこととか聞かないと・・・・
心をしっかり持とう!そう自分に言い聞かせると馬車は郊外のお屋敷らしい所についた
「さあ、入って・・・・ここは我がマクシミリアン家の別邸だから使用人も僕の信用出来る数人しかいないし安全だよ」
馬車から降りるとそう呟いてエスコートする彼
まるでお姫様のように接する彼に一瞬どきっとした
目の前には執事の中年男性がひとりで迎えてくれた
話は前もって分かっているのかあたしに軽く会釈をすると笑顔で出迎えてくれた
「ケント様おかえりなさいませ、お嬢様申し遅れました執事のスミスと申します
」
「は、はじめまして美結と申します!今日は突然お邪魔しちゃって申し訳ないです」
「いいえ、若い女性のお客様は滅多に来客されないので今日は楽しみにしておりました、どうぞごゆっくりなさって下さい」
執事の男性はそう言うと部屋へと案内された
白い家具が印象的な部屋で沢山の本が並んである大きな本棚が一番先に目に入って来た
「ここは僕の書斎兼応接室ってとこかな・・・まあそこに座ってお茶でも飲んで、喉乾いたでしょ?」
大きなソファーとテーブルがあるところに導かれゆっくり座ると彼は慣れた手つきでその場でお茶を入れ始めた
ここは侍女さんとかお手伝いのひととかがやるんじゃないのかな?
そう思ったあたしは思わず部屋の中を見回していた
「ふふっ、何故侍女とかにやらせないんだって思ったでしょ?」
「は、はい・・・・「お茶くらいなら僕にだって入れられる・・・・ここではなるべく自由でいたいんだよ」
彼の言葉に何故か凄く納得してしまって黙って頷いていた
妙に静かな空間にお茶を注ぐ音だけが響き渡る
あたしがそっとカップを手に取ると待っていたかのように話し始めた