満月の夜異世界へと繋がりました
まず真っ先に思ったのは王子とはいくら好きでも一緒にはいられないということ
そのことだけは確実に言えること、自分の兄である可能性が高い
だからと言ってすぐに兄として受け入れられるかって・・・・・
そんなこと、そんな器用なことあたしには出来ない
一体あたしはどうすれば・・・?

「ケント様・・・・あたし「二人でいるときはケントって呼び捨てでいいよ、くすぐったくて仕様がない」

「でも・・・・「僕が良いって言ってんだからいいんだよ」
「はい・・・・」
「・・・・で、王子が兄である可能性が高いってことだけどこれから美結はどうしたい?」


どうしたい?どうすればいい?
わかってることは彼の傍にいるのは辛すぎるってこと
でも、あたし・・・・まだこの世界に居たい
傍に居られなくても彼と同じ世界に・・・・

「とりあえず今言えることは・・・彼の傍にはいられないってことです」
「そうか・・・・「でもあたしはまだこの世界にいたいんです」
「じゃあ魔法省のほうは?「お城には・・・・行けません」

「とりあえず魔法省のほうは辞めようかなって思ってます、自分勝手なのは百も承知です・・・」
「わかった・・・・そのことは俺がどうにかしよう」
「ありがとうございます!!」
「数日ゆっくりしていくといいよ、この屋敷に来るものはほとんどいないし生きていく為にもどうしたらいいか考えるといい」

ケントと言葉に頷く
あたしには考える時間が必要だった
自分勝手な行動に呆れるしかないけど、誰にも言わずに城を去ったほうがいいような気がした

王子は・・・・あたしのことなんて忘れたほうがいい
瞼を閉じてこぼれそうになる涙を必死に堪えていた
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